お土産というのはもともとはお伊勢参りから始まったのだという事は以前お話をしました。


つまり、伊勢講と言ってお金を出してくれた方へのお礼という事から始まったものです。


その流れで旅行に言ったら向こう3軒両隣のお隣さんへだったり、中の良いお友達へのお土産だったり、自分以外の人への土産が多く買われていた時代がありました。


でも最近は旅行に行く機会も増えてきたり、ご近所さんとの繋がりも弱くなってきたりして、なかなか他人へのお土産を買う人が少なくなってきたようです。


というわけで最近の傾向として自分用のお土産が主流となり、それも軽くて小さいものが好まれる傾向です。


昔のように同じ値段なら大きいほうが売れる時代ではなくなってきています。


これも旅行者の旅行に対する認識が変わってきていますので、旅に慣れた旅行者はなるべく身軽で旅行したいと思っていることなのでしょう。


ですので秋芳洞などでよく売れていた大理石の盾や灯篭等1つで数kgもあるような重いものはほとんど売れなくなってきています。


また、山口と言えば萩焼が有名ですが、これも持ち帰る際に割れやすいという事で敬遠されがちになっています。


また、以前にも話しましたがコレクターの方たちのグッズもほとんど売れません。


コレクター商品とはペナントやバッヂ、更にはご当地のメタルキーホルダーもそれにあたります。


また、木製の手形、道標などもかつては売れ筋だったのですが、今ではほとんど店頭にもありません。


このようにお土産というものはなかなか旅行客にとって魅力がないものになってしまいましたが、反対に人気の土産というものも存在はしています。


それはSNSなどで拡散されたスイーツや料理など、特に食べるものは持って帰らなくていいので爆発的に売れているものも多くあります。


とにかく旅は手軽にというのがこのところの土産のポイントになっています。



こういう環境で私たちのような地域の観光問屋は何をすればいいのでしょうか。


有名な船〇総研はこの状況でご当地スイーツの展開を提案し、各地の小売店や卸問屋に働きかけていますが、これも世の趨勢にあったやり方の一つではあるでしょう。


私は土産の大きな意味として「ここでしか買えない」というものを重視しています。


今の世の中はネットや物流が発達したおかげで全国どこでもどこの名産でもほぼ買える時代です。


ですのでわざわざそこまで行く必要がないのも事実でしょう。


船〇総研のご当地スイーツもそこでしか食べられない、という特質がありますのでお土産ではないですけどそれを買うモチベーションには繋がっています。


でも私はどうしても買って持って駆ってもらうお土産にも今後は買うモチベーションを高めるものが必要だと思っています。


そうでないと全国の旅行者はますます少なくなっていき、地方の活性につながらないと思うからです。


私の会社ではこれからもお土産の企画を続けてここでしか買えないものを一つでも多く作っていきたいと思います。


お土産が地域の観光資源の一つになったらいいと思っているからです。


日本ほどお土産文化のある国を私は知りません。


日本ほどお土産屋さんが多い国も知りません。


お土産というのは日本観光の大きな特徴でもあるのです。


こんなお土産を少しでも多く売っていきたいと思っています。