みやげというものを漢字で書くと土産となりますが、ご土産という漢字にはその土地の産物という意味です。


みやげの由来にはたくさんの説がありますが、日本ではもともと旅に出てその土地のものを周りの人に配るものとして定着してきました。


ですのでみやげとは元々ギフト的要素があったのです。


みやげを英語でいうとsouvenirですが、こりスーベニアにはギフト的要素はなく、自分のための記念品としてのモノを言っているようです。


現在では土産もギフトというより自分への土産としてのほうが多くなってきていると思いますが、これも徐々に欧米化になっているのかもしれません。


現在、日本にも多くのインバウンド客が押し寄せていますが、日本ほど土産の種類や店舗が多い国もそうないのではないでしょうか。


ヨーロッパやアメリカでも土産品はありますが、日本ほどの多彩な土産を並べている国は見たことがありません。


土産品に関しては日本が圧倒的に進んでいると思います。


中国や台湾、韓国なども土産品で特におすすめなものは少なく、その多くは昔からの有名なものに限られています。


例えば韓国なら高麗人参とか、台湾ではお菓子はほぼパイナップルケーキ一色です。


日本でも赤福などの古いお菓子はまだ有名ですが、それとは別に新しいお土産もどんどん開発されています。


この土産の世界でも日本人独特の製品開発に対する貪欲さが見て取られます。


そして、世界中で日本の食文化の評価が高いように日本の土産に対する評価も今後高くなってくるのではないでしょうか。


日本の製品に対する思い入れは他の外国諸国に比べてもとても高いように思います。


そして日本人特有の高品質への追及も土産品にも当てはまっていると思います。


今後インバウンドがさらに伸びてくると土産品にもインバウンドへの期待が増えていると思いますし、他の日本製品同様、必ず日本のお土産が世界で評価されるようになってくると思います。


抹茶などは日本の茶道という文化と連動して外国人にも人気ですが、これからはもっと日本独特の饅頭、羊羹、餅も評価されるようになってくると思います。


また、これまでは中国人による日本製品の爆買いなども話題になっていた時期もありました。


それは家電品や薬などの評価の高いものが主でしたが、それらは決して土産品ではなく、実需と何ら変わりはなかったのだと思います。


それらはこれからも評価があれば売れるとは思いますが、いつまでもそのような爆買いを期待するわけにもいきません。


むしろこれから期待すべきは日本人が買っている土産需要がインバウンドにも波及すべきだということです。


現在はSNSがあって、話題になったことは日本内に限らず世界中に伝わっていくのが普通になっています。


昔のイメージの土産だけでなく、新しく世にでてきた土産を世界中のマーケットに売っていくということが可能になって来ています。



みやげは文化です。


いつまでも風邪薬や炊飯器などに頼っているべきではありません。


日本の良さを土産という文化に乗せて世界中に発信することこそ、日本が行う観光政策ではないでしょうか。