先月から小林製薬の紅麹サプリメントによる健康被害が報道されています。
この問題は小林製薬1社の問題にとどまらず、食品業界全体に影響のある問題になっています。
と言いますのも紅麹は多くの加工食品で着色料として広く使用しているからです。
いわゆる食品添加物としての使用が多くあるのです。
紅麹は自然由来のもので、本来比較的安全だとされていましたので、この紅麹が原因で死者まで出すようなことが疑われると今後この紅麹を使った製品は売れなくなっていることが危惧されます。
小林製薬によると意図せぬ成分があったとのことですが、この原因が早急に解明しないと紅麹自体が食品業界で用いられなくなる恐れも多分にあります。
商品業界というのはこのように一度健康被害、まして死亡者まで出たとなると多くの企業はそれに類したものまで使用することを敬遠するようになります。
風評を恐れての事だと思いますが、それほど食品というのは風評に弱い業界だと言えるのです。
かつてO157事件でカイワレ業界が壊滅したように一度疑われたものが復活するには多大の時間と努力が必要です。
今回も多分市場から紅麹と名のつくものが無くなってしまうでしょうが、紅麹も今後市場から消えてなくなるのでしょうか。
私はそうはならないと思っていますが、それにはこれも他と同様かなりの期間が必要となるでしょう。
今回は悪役食品となるものの考察について書こうと思います。
まず悪役食品となるものは何らかの事件が起因しています。
紅麹なら腎臓障害が出たとか、カイワレなら政府発表でこれが原因だったという報道がまずは起因となります。
大きな事件となるには最初のきっかけはまずニュースという報道でしょう。
それが現在ではSNSが後を追っかけてそれに油を降り注ぐことが多いと思います。
そして蔓延した頃には家庭内の会話の中にもそのことが取り上げられることが多くなってくるでしょう。
風評とはその文字の通りに風の噂という意味合いがありますから、周りの空気がみなその食品をよく思わない感じ、悪者だという感じが必要です。
風評とはこのように~らしい、~みたい、という思考が多くの人に持たれることです。
日本は民主国なので誰かがそれを強要することはあまりありませんが、日本という国民性で周りの空気がそうだったらホントじゃない?という考え方をする人が多いように思います。
今回の紅麹はヨーロッバでは使用を注意されており、特にスイスでは食品としてしようが違法と迄されています。
日本は食品添加物が世界的に見ても多いことで有名ですが、今回がきっかけで改変されることも大いに予測されることです。
なぜ日本が食品添加物が多いのかというと日本では見た目でおいしそうでないものは売れないからです。
発色剤や着色料などはその好例で、日本人にはおいしいと思われる色合いというのがあるみたいです。
それと保存料に関しては消費者がなるべく新しいものを買おうとして、少しでも古いものは手に取らないので当然廃棄が増えてきます。
その廃棄を減らすにはなるべく長い消費期限が必要だという事です。
どうもこの点だけを見ると我々日本人は現代においては環境に優しくない国民性を持っているのかもしれません。
なのでこの国民性を多少なりとも変えないと日本の食品添加物は少なくならないと思うのです。
国民性を変えるには何らかのムーブメントみたいなものが起こらないと出来ないと思います。
例えばスーパー等の買い物ではなるべく古いものから買おう、とかいう意識の改革です。
こういう事件が起きると一斉にそれをつくったメーカーに非難が集中してしまいます。
「儲け主義」だとか「自己都合主義」だとかです。
でも最終的に企業も利益が出ないと存続できませんから、適正な利益を追求することは悪いことではないのです。
それよりも社会全体でもっと環境に、社会に優しい心を持つことの方がずっと大事だと私は思います。
事件が起きると当事者だけを締めあげても問題はほとんど解決しません。
いま世界中から日本人の優しさやおもてなしが話題になっています。
ここで更にそれをアップグレードする日本人マインド2.0を目指してはどうでしょうか。