現在はインバウンドの方がとても増えています。


アフターコロナでインバウンドの急上昇は外国人の気質と現在の為替レートが大きく影響していると見ていいでしょう。


昨年の9月くらいからコロナ前の実績と同じくらいになっていますし、そもそも外国の方はコロナ下でもあまり日本人ほど感染に対する警戒が少なかったように思えます。


為替レートも確かに影響がありますが、欧米などに比べ、日本では物価上昇が比較的抑えられていますので体感としては日本はかなり割安な物価だと外国人は捉えたのでしょう。



では、逆にアウトバウンドはどうなっているのでしょうか。


JTB総研のデータによりますと、昨年11月のアウトバウンド数は102万人、2019年が約164万人なのでまだ6割程度にしか増えてはいません。


これは特に為替と海外の物価高の影響があるとみていいでしょう。


海外旅行自体があまりしたくないということではなく、したいけどできないというほうが正しいと思います。


海外の物価高に加え、日本では賃金上昇があまり進んでいないのも大きな原因でしょう。


昨年は賃金が久しぶりに上がったと報道されていますが、賃金が上がったのは主に大企業で、中小零細企業ではそれほど上がっていません。


ですので現在は旅行だけの収支では圧倒的に黒字となっていると思います。


都市部に出ればほとんどの都市では外国人を多く見られますし、逆に外国人の方が多い観光地も存在します。


日本人の好きだった旅行は徐々に庶民の手から離れていっているようにも思えます。




海外旅行で最初に行くことが多いのが一部の学校では修学旅行、そうでない方は大学卒業時の卒業旅行ではないでしょうか。


ただ、修学旅行の海外についてはまだほんのわずかしか回復していなくて、やっと対象地として東京等の都市圏が増えてきたというのが実態のようです。



また、卒業旅行については、大きく回復している傾向にありますが、海外旅行となるとその比率は数%とごく少数のようです。


また卒業旅行で本当の生きたい先にはヨーロッパが断然トップにきているらしいですが、実態は海外旅行全体でも数パーセントと海外旅行をあきらめている人も多いようです。


海外旅行は昔は一生に一度でも行ければ良いということでしたが、高度成長期を経て誰でもがいける時代を体験していました。


ただ、ここにきて、再び一生に一度の体験に戻りつつつあるようです。


海外旅行にはお金もかかりますし、時間もある程度自由になることが必要です。


加えて、現在の地勢的リスクから海外でのトラブルに巻き込まれる心配などを考えて、なかなか海外旅行に出かけられない方が増えていっているのも原因の一つに数えられるでしょう。


日本での海外旅行の経験が少なくなっている傾向に対して。世界ではグローパル化がより一層進歩しており、世界を知らない日本人の比率が増えてきそうというのが心配のタネです。


世界をもっと知ることは日本の将来にとっても不可欠な要素です。


世界の中の日本というより、地球という世界の1エリアが日本であるという認識を持つことが世界と渡りあえる条件ではないでしょうか。