潰れかけたぁぁぁあああ | とある獣医の豪州生活(オージーライフ)

とある獣医の豪州生活(オージーライフ)

オーストラリア在住の獣医学生であるAKIが熱帯魚の飼育日記をはじめ、
ワンコ、麻雀、アニメ、日々の生活などなど・・・
日本とは少し違った世界観をUPするブログです。

※コメントしていただくと、ブログ主が泣いて喜びます。

ふぁあああああ!!
ご無沙汰しております、AKIです。
相変わらず大学が始まると非常に忙しいですなぁ。

というわけで今週から畜産動物のローテーションが始まってます。
「畜産動物」とひとくくりにしてはいますが、ご察しの通りものすごく範囲が広いわけでして、
ウシ、ヒツジ、ブタ、ニワトリ等に始まり、機会があれば海産である魚や牡蠣、
今週はヤギ、アルパカ、ラクダなんかまで診ました。もう馬と小動物以外なんでもありです。
広義には畜産の研修中に「ハチ」を診ろと言われてもおかしくないのだ。養蜂は畜産です。


これだけでも学ぶ範囲が広すぎるっていうのに、さらにそれらを取り巻く環境が特殊。
まず基本的にシビアな世界。常に医療と金が天秤にかけられる世界です。
動物病院のように「診て、診断して、治療する」という単純な流れとは限りません。

「診るのに金をかけるか、そのまま肉にしてしまうべきか」
「診断のために金をかける必要があるのか、とりあえずそれっぽい治療で済ますか」
「治療して治るのか。治ったとしてその後に金になるのか」

それらを提供するこちら側も、クライアントに一番合うオファーを出さないといけないわけで、
動物病院みたいに「とりあえず血液検査してみましょう」とは言えないのだ。
「拳銃、あります?」と聞き返すことも必然と多くなっちゃう。

・・・かと思ったら、同じ畜産動物でも愛玩動物のように金をかけてもらえるペットがいる。
ホビーファーマーと呼ばれる、趣味で小さな牧場を持ち少数の動物を育ててる家庭で、
こういうところの動物は「金より命」という流れになりやすい。
この見極めと切り替えが学生たちには非常に厄介で難しいのである。


コミュニケーションってのは難しいなぁ。


まぁそれでもなんとか、8~18時シフトで大動物にもまれる一週間は生き延びたぞ。
早速プレゼンも一つ終わらせたし、うーん、あと2週間生き続けなければ。





小指が思いっきり内出血!

ウシさんを保定機に入れてて、そいつをリリースする瞬間に牛の頭と鉄棒の間に挟まれました。
うーん、勿論気を付けてはいたんだけど、一瞬の隙を見せるとすぐにこれですよ・・・。
前日睡眠無かったしなぁ。

AKI  「いってぇー、指やられたわー」
友人1 「おぉどうした」
AKI  「ウシ出そうとしたときに保定機とウシの頭の間に挟まった」
友人2 「状態は?」
AKI  「思いっきり内出血してるけど、多分折れてはいないっぽい」
友人1 「俺はそれと全く同じ状況で小指折ったから気を付けろよー」
友人2 「あー、お前やったんかー」
友人1 「結構ガッツリ逝っちゃって、6週間ずっと薬指にテーピングよ」
AKI  「長ぇな」
友人1 「小指ってなまじ骨が細いから、治りかけだとちょっと曲げたらすぐまた折れるんよ」
友人2 「小指ヤバイ」
AKI  「小指ヤバイな」


ヤバいのは小指じゃなくてウシ、という発想は無い獣医学生達。
基本動物に対して受け身である。慣れって怖い。


いやー、折れてくてよかった。まぁ未だに小指と同時に巻き込まれた薬指は腫れてますがww
馬のローテーションでもそうだったけど、大動物はこれがあるから大変なのだ。
今回は相手が「牛の頭」程度のモンだったから内出血で済んでるけど、
これが胴体いじってる時で、牛の全体重が乗ってたら友人君のように骨が砕けてた。

普段レストランで焼肉喰って、スーパーでステーキ買って、
たまに触れ合い牧場で可愛い牛さんの乳しぼり体験で自然と触れ合おう☆
みたいなことしてると忘れがちだけどさ、
あいつらデカイわけ。体重500㎏からの世界なわけ。もうそれだけで危険なわけ。
体重50㎏の人間が5kgの猫を踏みつけたら大惨事になるのと同じなわけ。

そして相手には言葉が通じない。タップも意味がない。
だから今回自分も、頭だったからよかったけど3秒間ずっと指潰されてたわけwww
「あだだだだだだだだだだだだだだいたいいたいいってぇなコンチキショウ!!」
くらい潰されてた。よく考えたら本当の意味で畜生だったよチキショウ!


残り2週間の小目標も馬のときと変わらないな。
生きよう(全力)