ピアノ教室で、ホームページに規約を公開していたり、ブログにマナーを書いている教室を見かけます。それは本当に、指導者の切実な願いかもしれませんが、非常に危険なことです。

まずそれを見た、これからピアノを自分の子どもに習わせたいと思う、保護者はどう思うかということですよね。

 

なぜなら、なぜホームページやブログで公言しなければならないのか?

それを考えてみたいと思います。

私の目標は、保護者に私の指導方針を知り、私に任せてもらいたいから

私自身、ピアノ教室を運営していて大事にしてるのは、シンプルな規約と直接的なコミュニケーションの大切さです。 私が最も大切にしているのは、保護者の方々に私の指導方針を理解していただき、お子さんを安心して預けていただくことです。

ですから基本的なルールはシンプルな規約として明文化し、規約に含まれていない事項については、その都度丁寧に説明させていただくようにしています。

 

そして必要以上に細かいルールは作らないようにしています。 私は、生徒さんや保護者の方のマナーについて、困らせる意図があるとは考えていません。

単に知識として知らないのだと理解しています。そのため、気になることがあれば、その場で直接説明するようにしています。

 

全体に向けて厳しい規則を作るのではなく、個別に対応する。 規約やマナーの問題は、結局のところコミュニケーションの問題です。

日々の関わりの中で、教室の在り方について理解を深めていただくことが大切だと考えています。 

 

私は少なくともピアノ教室は単に楽器の演奏技術を学ぶ場ではないと考えています。私が大切にしているのは師弟関係ですが--------

私はその師弟関係を通じて、先生が大切にしていることを生徒や保護者が学び、共に成長できる教育の場にしたいと考えています。そのような場とするのに、私の大学の頃の作曲科の先生ですが、細かなルールは一切言いませんでした。最低限のことだけをピシッと伝え、ダメなことはダメと。でも普段はほとんど何も言わず自由な発想に任せてくれました。それと同じで、私が細かなルールまで規約にまとめていたら、保護者の自由な発言はできなくなってしまうと考えるからです。

普段話している話題から、保護者の価値観を考える

言動はその人が何をどう考えているのかとても大事な情報源です。そこにはその人がそう思うだけの背景がある。 だから私は否定語は使わず、保護者が素直に私の言うことを(なるほどな、そういう考え方なのね)と思えるように、私はまず保護者の考え方を理解するところから始めます。

私もかつて、規約を細かく書いたり、ブログにこうするべきああするべきと書いたこともありました。でももとを正せば、直接保護者に伝えられなかっただけ。コミュケーションの問題だったのです。

 
自分の感じ方も大切ではあるけれど、むしろそれなら面と向かって伝えるべきことだと思います。そして伝えるにはその後の行動が変わらないと意味がないから、その人が受け入れやすい様に伝えるのです。だからそれには考えて、考えて、考え抜きます。その結果、保護者の行動が変わるということを見届けています。どんな良くない行動でも必ず肯定的な意図があり、それを理解することでコミュケーションは前に進みます。