「ちょっとー何してんの?」
『何って、別に何もしてないけど。』
「だって、電話掛けても全然出てくれないし。もしかして誰かと...いんの?」
『違うよ。映画見てたの。』
慌ただしい一週間が終わる金曜日、今夜は特に予定もなかったから、仕事帰りにDVDを借りて帰ってきた。
観に行きたいと思っていたけど、なかなか予定が合わないまま上映終了を迎えてしまった、こってこてのラブストーリー。
...ちょうど良い所だったのに、なんて言わないけど。
「映画?なんで?」
「映画?なんで?」
『なんでって...観たかったから。』
「俺も観たかったし。なんで一人で観ちゃうんだよ。」
そんな事言われても仕方ないじゃん。それに、こんなザ・定番みたいなラブストーリー、一緒に見るのはなんていうか恥ずかしくて観ていられない。
『ね?』
「なに?」
『そろそろ切るよ?』
「え、やだ。」
話した時からいつもみたいな感じっぽくない事は分かっていたし、それがお酒のせいだって事も理解している。
今日は飲み会だって言っていたから。
受話器から聞こえてくる後ろでは、賑やかな声やBGMが聞こえているから。
「ねぇ...まだ声聞いてたい。」
「ねぇ...まだ声聞いてたい。」
『いつも聞いてるでしょ?』
あ、可愛くないこと言った。
「だって今日朝までコースになりそうだし。」
『たまには息抜きも必要だよ?ぱーっと遊んでおいでよ。』
「息抜きするなら、家で一緒にまったりする方がよっぽど休める」
映画は正にクライマックスを迎えようとしていて、男女のとびっきりの笑顔がディスプレイいっぱいに映し出されている。
こんな映画、選ばなければ良かったと後悔した。
普段言わないワガママも言ってしまいそうになるのは、この状況とこのシーンの所為に違いない。
「もしもし?どうした?」
『...声聞いてると会いたくなる。』
「もーなんでそういう事言うかな。」
『そんな事ばっかり言うから会いたくなった。』
「俺だって会いたい。今すぐ帰ってギューって抱き締めたい。」
『会いに来てって言ったらメーワク?...』
「もしもし?どうした?」
『...声聞いてると会いたくなる。』
「もーなんでそういう事言うかな。」
『そんな事ばっかり言うから会いたくなった。』
「俺だって会いたい。今すぐ帰ってギューって抱き締めたい。」
『会いに来てって言ったらメーワク?...』
「なんでそんな可愛い事ばっか言うかなぁ今すぐ抱き締めたい、っていうか...」
『あーちょっと!体目的はやだ。』
「やだって言われると余計に燃えるって知ってる?てか、体目的じゃないし。」
『分かってるって。もー...早くきてよね裕太』
「もうとっくに向かってるわ(笑)」
二人の笑い声がお互いの耳に入ってくる。大の大人が電話越しに愛の言葉を伝え合うなんて、それこそ恥ずかしいけれど。こんな甘い夜も、裕太となら...。
お久しぶりな文章妄想族♡
酒飲んでたら玉森さんに会いたくなったwww
