ジャニーズ性加害「深く憂慮すべき疑惑」 国連人権理報告全文
国連人権理事会「ビジネスと人権」作業部会の専門家が4日、東京都千代田区の日本記者クラブで発表したジャニーズ事務所性加害問題についての報告は、以下の通り。
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ジャニーズ事務所のタレントが絡むセクシュアル・ハラスメント被害者との面談では、同社のタレント数百人が性的搾取と虐待に巻き込まれるという、深く憂慮すべき疑惑が明らかになったほか、日本のメディア企業は数十年にもわたり、この不祥事のもみ消しに加担したと伝えられています。私たちは、政府がこれまで20年にわたり、子どもの性的虐待防止につき、いくつかの措置を講じてきたことに留意します。しかし、政府や、この件について私たちがお会いした被害者たちと関係した企業が、これについて対策を講じる気配がなかったことは、政府が主な義務を担う主体として、実行犯に対する透明な捜査を確保し、謝罪であれ金銭的な補償であれ、被害者の実効的救済を確保する必要性を物語っています。証言によると、ジャニーズ事務所の特別チーム(または独立チーム)による調査については、その透明性と正当性に疑念が残っています。ジャニーズ事務所のメンタルケア相談室による精神衛生相談を希望する被害者への対応は不十分だとする報告もあります。
(原文のまま)
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ジャニーズ事務所の再発防止特別チーム、ジャニー氏のS加害認める「多数のジャニーズJr.に対し」
ジャニーズ事務所が29日、公式サイトを更新し、ジャニー喜多川前社長(19年に死去)の性S加害問題を巡り、同事務所が設置した「外部専門家による再発防止特別チーム」(座長・林真琴前検事総長)が作成した、同事務所のガバナンス上の問題点の把握及び再発防止策の策定・提言に関する調査報告書を公表した。
調査報告書で再発防止特別チームは、ジャニー氏について「1970年代前半から2010年代半ばまでの間、多数のジャニーズJr.に対し、長期間にわたって広範にS加害を繰り返していた事実が認められた」と報告した。
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この日、「再発防止特別チーム」が、都内でガバナンス上の問題の調査結果報告書と、再発防止策の提言書に関する記者会見を東京都内で開くが、会見に先だっての公表となった。
特別チームは5月26日に組成され、被害申告をした元所属タレントらにヒアリングを実施するなどした。ジャニーズ事務所も提言を受けた後、「できるだけ早く」今後の取り組みなどを記者会見で説明するとしている。
▽以下、外部専門家による再発防止特別チームの調査報告書「概要版」全文
当チームは、本日、株式会社ジャニーズ事務所(以下「ジャニーズ事務所」といいます。)に対し、ジャニー喜多川氏(以下「ジャニー氏」といいます。)の性加害問題に関する調査報告書を提出いたしました。調査報告書の概要は以下のとおりです。
1.本件調査の概要
調査期間:2023年5月26日から同年8月29日まで
調査方法:被害者及びジャニーズ事務所関係者等のヒアリング(41名)、関係資料の精査、専門窓口の設置等
2.事実関係
本件調査の結果、ジャニー氏は、古くは1950年代に性加害を行って以降、ジャニーズ事務所においては1970年代前半から2010年代半ばまでの間、多数のジャニーズJr.に対し、長期間にわたって広範に性加害を繰り返していた事実が認められた。
ジャニーズ事務所は、これまで、ジャニー氏の性加害に関する週刊文春の特集とそれに関する裁判、暴露本の出版、BBCからの取材要請等があったが、ジャニー氏の性加害の事実を調査するなどの適切な対応をしなかったことが認められた。
3.原因
(1) ジャニー氏の性嗜好異常
(2) メリー氏による放置と隠蔽
(3) ジャニーズ事務所の不作為
(4) 被害の潜在化を招いた関係性における権力構造
4.本事案の背景
(1) 同族経営の弊害
(2) ジャニーズJr.に対するずさんな管理体制
(3) ガバナンスの脆弱性
※1 取締役会の機能不全と取締役の監視・監督義務の懈怠
※2 内部監査部門の不存在
※3 基本的な社内規程の欠如
※4 内部通報制度の不十分さ
※5 ハラスメントに関する不十分な研修
(4) マスメディアの沈黙
(5) 業界の問題
5.再発防止策
(1) 本事案の本質
(2) ジャニーズ事務所がとるべき基本的対応
ジャニーズ事務所は、組織としてジャニー氏の性加害が事実であることを認め、被害者に真摯に謝罪し、すみやかに被害者と対話を開始してその救済に乗り出すべきである。
(3) 被害者の救済措置制度
ジャニーズ事務所は、被害者に対し、被害回復のための適正な補償をする「被害者救済措置制度」を直ちに構築すべきである。
(4) 人権方針の策定と実施
ジャニーズ事務所は、国際的に見て他の企業の模範ともなるべき人権方針を作成した上で、それを国内外に公表し、今後は、その人権方針を遵守し、二度と少年に対する性加害をはじめとする人権侵害を行わせないと明確に表明すべきである。
(5)研修の充実
※1 人権尊重に関する研修
※2 性加害の問題に関する研修
※3 ハラスメントに関する研修
※4 タレント(ジャニーズJr.を含む)への研修
(6)ガバナンスの強化
1 ジュリー氏の代表取締役社長辞任と同族経営の弊害の防止
ジャニーズ事務所が解体的出直しをするため、経営トップたる代表取締役社長を交代する必要があり、ジュリー氏は、代表取締役社長を辞任すべきと考える。これにより、ジャニーズ事務所におけるガバナンス不全の最大の原因の一つである同族経営の弊害も防止し得ることとなる。
2 取締役会の活性化
取締役会が十分な監督機能を発揮できるように定期的に開催し、社内の問題点を適時に共有して適切な対応策を決定すべきである。
3 社外取締役の活用
社外取締役に期待された役割を十分に果たすことのできる体制作りをすべきである。
4 内部監査室の設置
内部統制システムの有効性を含め、業務の適正性と効率性を確保するために、他の部門から独立した内部監査部門を設置すべきである。
5 基本的な社内規程の整備
6 内部通報制度の活性化
内部通報制度を活性化させるために制度改正を行った上、内部通報の推奨を周知徹底すべきである。
7 相談先の拡充とアドボケイトの配置
ジャニーズJr.が悩み事等を相談する相談者やアドボケイトを増やすべきである。
(7)CCOの設置
外部から人権に関する専門家を採用してCCOを設置し、「人権方針の策定と実施」や「研修の充実」の責任者とし、「内部監査室」や「内部通報制度」を統括させ、取締役会に意見を述べる権限を付与するべきである。
(8)メディアとのエンゲージメント(対話)
ジャニーズ事務所は、すみやかにメディアとのエンゲージメント(対話)を開始して、二度と同様の性加害の発生を許さないことを宣言し、そのために人権方針を定め、ガバナンス体制も整備して再出発するという強固な決意を明らかにし、今後はメディアとの相互監視、相互牽制により人権侵害の再発を防止していく姿勢を示すことが求められる。
(9)再発防止策の実現度のモニタリングとその公表
以上
※は丸数字
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藤島ジュリー景子氏100%株所有 社長辞任提言の特別チーム「その後のことは事務所が」【会見一問一答】
外部専門家による再発防止特別チームが記者会見
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4時間12分のジャニーズ会見、結局何が明らかになったのか 新社長の東山紀之「ジャニー氏のやったことは鬼畜の所業」
藤島ジュリー景子前社長、井ノ原快彦、顧問弁護士と対応
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東山は冒頭で、ジャニー氏の性加害を認め謝罪の言葉を述べた。年内でタレント業を引退する旨についても説明。また、「この事実に真摯(しんし)に向き合うため、今後は人生を懸けてこの問題に取り組んでいく覚悟です。被害者の方々への補償・救済はすべての出発点だと考えています」と決意を述べた。
質疑応答を通して、自身のこれまでについて言及。「うわさとしては聞いていましたが、私自身は被害を受けたことはないです。受けている現場に立ち会ったことはなく、先輩たちからも後輩たちからも相談を受けることはなく、うわさには聞いておりましたが、自分から行動を起こすことはありませんでした。今後は反省を込めて対応していきたいと思います」とした。
また、「さまざまな暴露本等が出ていましたが、僕らは喜多川氏を信じていたので、暴露本を読んできませんでした。一部判決が出たことで自分の中では深まっていましたが、あくまでうわさであると信じていました。父のように感じていたので、あってほしくないと感じていました。仕事をする中でいつしかそういうことも忘れてしまう。その繰り返しでした」と続けた。
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ジャニーズ事務所の創業者、ジャニー喜多川氏(2019年死去)によるS加害問題で、記者会見した東山紀之さん(56)は、ジャニー氏に対し「絶対的な存在で、正しいと信じていた。今となってはそれを恥じております」と述べた。
また、S加害の認識はあったのかとの問いに対し、「恥ずかしながら何もできず、何の行動もしておりませんでした。うわさとしては、聞いておりました。私自身は被害を受けたこともなく、受けている現場に立ち会ったこともなく、先輩や後輩からも相談もなかった。うわさという認識はあったが、行動は出来ていなかった。その反省を込めて、対応していきたい」と話した。
今回の問題では、ジャニー氏のS加害について暴露本なども出版されたが、この点について、東山さんは「暴露本なども読んでこなかった。喜多川氏と藤島氏は父や母のように感じていましたから、あってほしくないなと思っていました。その中で僕らは仕事をしなくちゃいけない。いつしかそういうことも忘れてしまう。その繰り返しでした。でも、その間も被害者はトラウマに苦しんでいた。今後は僕が救済し、補償し、共に手を携えていかないといけない」
デビュー前の若手を育成する「ジャニーズアイランド」社長の井ノ原快彦さん(47)は「小学6年で(事務所に)入った。既に(暴露)本が出ていて、仲間たちも『そうなのかな』という、うわさはしていましたね。そうなったらどうしようという話もしていた。被害にあった方が相談にのるとかしにくい空気はあったと思う。だから被害者が何もできず、告白するのが今になったのだと思う。でも、僕らの関心事っていうのは、もっと踊りがうまくなりたいとか、デビューしたいという気持ちが強かった。小学生や中学生の僕たちが、ちょっとおかしいんじゃないかと言えなかったことを後悔している。言い訳になるが、えたいの知れない、それに触れてはいけない空気というものはありました」
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ジャニーズ事務所の創業者、ジャニー喜多川氏(2019年死去)によるS加害問題に関する7日の記者会見で、性加害を知った時の思いを尋ねられた東山紀之さん(56)は、「僕自身は、喜多川氏と出会って、この世界に入ったので、自分の本当に根本であったものが全てなくなった思いだった」と話した。「自分の人生の中でもこれほどの落胆はなかった。生きている意味も含めて本当に考えさせられた。こういう思いをさせないことが大事だと今は考えています」とも語った。
一方、井ノ原快彦さん(47)は「なんてことをしてくれたんだ、いい加減にしてほしいです。小さい子たちを見ていると裏切れない。同じ思いをさせたくないです」と語った。
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東山新社長はこの日、ジャニー氏のことを「喜多川氏」と呼んだことについて、「エンターテインメントというのは人を幸せにするためにあるものであって、それをそうじゃなかったと。たくさんの人を巻き込んで迷惑をかけて、結果、あの方は誰も幸せにしなかったなと。だから喜多川氏と呼ばせていただくことになりました」と理由を明かした。
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会見では「故ジャニー喜多川によるS加害問題につきまして、2023年8月29日、特別チームによる調査結果と提言が公表されましたが、ジャニーズ事務所といたしましても、私、藤島ジュリー景子個人といたしましてもジャニー喜多川に性加害はあったと認識しております。被害者の皆様に心よりお詫び申し上げます」と性加害の事実を認めて謝罪。また「特別チームの提言を真摯に受け止め、9月5日をもって、代表取締役社長を引責辞任致しました」とし、「新しい代表取締役社長は本日同席させていただいております東山紀之が務めさせていただきます。また、弊社代表取締役副社長の白波瀬傑も9月5日をもって、引責辞任致しました」と発表した。
ジャニー氏が起こした性加害について、罪悪感はないのかと追及されたジュリー氏は「知らなかったというのは、私が直接その被害があったことを聞いたことがなかったということで。もちろん報道や暴露本が出ていることですとか、それは存じていました。自分の中では、当時確かめなかったということが私の責任であり、罪悪感がないなんていうことはもちろん全くなかった」と述べた。 さらに「当時、その2人(ジャニー氏とメリー氏)に私が親族であっても物を申せなかったという空気が弊社の本当にいびつな所だったと思います。それを親族だからこそもっと何かできることがあったのではないかということはもちろん反省しておりますが、当時は何もできなかったです」と後悔の念をにじませた。
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会見では「故ジャニー喜多川によるS加害問題につきまして、2023年8月29日、特別チームによる調査結果と提言が公表されましたが、ジャニーズ事務所といたしましても、私、藤島ジュリー景子個人といたしましてもジャニー喜多川に性加害はあったと認識しております。被害者の皆様に心よりお詫び申し上げます」と性加害の事実を認めて謝罪。また「特別チームの提言を真摯に受け止め、9月5日をもって、代表取締役社長を引責辞任致しました」とし、「新しい代表取締役社長は本日同席させていただいております東山紀之が務めさせていただきます。また、弊社代表取締役副社長の白波瀬傑も9月5日をもって、引責辞任致しました」と発表した。
ファンに向けての説明や謝罪を問われ、「本当にいろいろなことが起きている中でも、全く変わらず、私共のタレントを応援してくださっているファンの皆様には…」と声をつまらせた。
「本当に感謝の気持ちしかございません。本当にご理解いただきたいこととしては、みんながそういうことがあって今スターになっているわけではなく、一人ずつのタレントが本当に努力して、そしてそれぞれの地位を勝ち取っているので、そこだけは本当に失望もしていただきたくないですし、誤解もしていただきたくないですし…安心してこれからも応援してやっていただきたいと心から思います」と涙を浮かべ、ハンカチで目頭を押さえた。
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ジャニーズ問題「依然深い憂慮」 国連人権理作業部会が報告書公表
旧ジャニーズ事務所(SMILE―UP.、スマイルアップ)の性加害問題を調査した国連人権理事会の作業部会は28日までに、「(同問題に)依然として深い憂慮が残る」とする報告書を公式サイトで公表した。被害者救済に向けた「道のりは長い」とし、スマイルアップ側には被害者の弁護士費用の負担や精神的ケアの拡充を求めた。
作業部会は、スポンサー企業が契約の見直しなどを進めた点について「説明責任を果たした」と評価。スマイルアップ側の対応も「努力が認められる」としつつ、補償を求める被害者の弁護士費用を自己負担させている点などについて「容認しがたい」と指摘した。 昨年日本を訪問し、被害者に聞き取りした。
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旧ジャニーズ性加害「日本には人権侵害を生む構造が根強くある」国連人権理事会で指摘 被害訴える元Jr.男性「ようやく光があてられたと実感」
旧ジャニーズ事務所の性加害問題などをめぐり、スイスで開かれている国連人権理事会の会合で、調査に関する報告書が提出された。
会合には、実名で被害を訴えてきた、元ジャニーズJr.の男性も出席した。
スイス・ジュネーブで開かれている、国連人権理事会。性加害問題などの調査を行ってきた作業部会が、6月26日、報告を行った。
ジャニー喜多川氏の性加害問題については「深い憂慮」が示されたほか、日本のメディアに対しても「不祥事の隠ぺいに関与してきた」と言及した。
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以上、ニュース記事より抜粋