また命を失った | あなたと二人三脚

あなたと二人三脚

日々変化少なく穏やかに謙虚に生きていきたい。
今日が人生最期の日だと思い、精一杯生きる。
努力とは力むことではない。誠を積み重ねることである。

沖縄はいつまで我慢しなければならないのか?

彼女は今死ぬ必要はなかったはずだ。

本土復帰後、米軍人・軍属の起こした事件は5800件余り、殺害・女性への乱暴は9.6%。

こんな事を書くと「沖縄の県民が起こす同様の事件より少ない」と批評する者が必ずいる。
そりゃそうだ!それはどこの県も同じだ。しかし沖縄には戦後70年違う環境が存在することを彼等は決して直視しない。

「沖縄は米軍関係のお金で儲かっているくせに反対するのはおかしい」

沖縄はもはや基地には依存などしていない。復帰直後はそうだった、でも当然ではないか!あの頃の沖縄は日本ではないし、100%アメリカでも無い。そこに大量にある基地から飯を食う種を見つけなければ生きていけなかったのだ。そりゃ依存もする。

しかし米軍が撤退した北谷町には商業施設に、住宅施設に役所まで建つ、北中城村のライカムにあった米軍のゴルフ場を返還後に出来たイオンの巨大ショッピングモールやその向かいにも県内最大級の総合病院、
那覇市天久の新都心にも飲食街に映画館、小学校や高等学校など多くの施設さらにアパート、マンション、一戸建て。

基地がなくなれば、県民にとって住むところができ、働くところができ、学ぶところができ、遊び憩うところができる。

「一県が国と対立するとは何事だ、沖縄は生意気だ」

日米安保体制の維持とは国が責任を持って行うことだ。そんな当たり前のことをこういう事を言う人はわかっていない。その体制を維持する為に1951年のサンフランシスコ講和条約以降沖縄以外にあった米軍基地は整理縮小していく一方で、沖縄の基地は強化された。
国を守るのは自衛隊なのではないか?国防は全国で公平に分担する事なのではないか?

沖縄が主張する普天間の辺野古移設反対は、他県が相応の負担をすれば済むのではないか?

たびたび書いているが、普天間や辺野古だけが沖縄の基地では「無い」。

県内の米軍基地全体は約22,900ヘクタール。普天間基地はたったの480ヘクタール、実に2%しかない。

普天間基地は東京ドーム102個分がなくなっても、沖縄には極東最大の嘉手納基地(東京の横田基地よりも滑走路は長く、横田基地は一本だが、嘉手納基地は二本の滑走路がある)、米国外で唯一のジャングル訓練施設である北部訓練場など32施設の東京ドーム4770個分が残る。

政府の言う基地の負担軽減は全てにおいて実効性もなければ、住んでいる県民に実感も無い。

普天間の辺野古移設を呑めば、嘉手納以南の基地も返還するというが、多くは県内の別の所に「移設」するだけで、なんの負担軽減にもならない。

普天間基地も嘉手納基地も沖縄戦で軍事占領され、そのまま今日まで使われ続けてきた場所だ。

翁長知事は「奪った土地に基地を造り、そこが老朽化したから新しい土地をよこせ。嫌なら代わりの案を出すというのは理不尽で政治の堕落だ」と発言している。

「沖縄は生意気だ」という方々の住んでいる場所では、これが許される場所なのか、ならば諸手をあげて普天間基地を引き取って欲しい。

「普天間基地が無くなれば中国が攻めてくる」

攻めてくる訳がない、何故って?
沖縄には極東最大の戦闘能力を保有する嘉手納基地、原子力潜水艦が寄港するホワイトビーチがある。

オスプレイは戦闘機ではない、輸送機である。彼等が尖閣諸島に海兵隊をオスプレイで輸送し、中国と直接地上戦をするの?アメリカ軍が日本の領土内で自国民である兵士達を外国軍隊と戦闘させるの?

自国民を大事に思う米国が軽はずみな行動はしないだろう。

攻めてくると主張する人は、沖縄の事を思っているのではなく、自分達の生活が脅かされるのを危惧しているだけではないか。

私は、アメリカが嫌いなわけでは無い。アメリカ人が嫌いなわけでは無い。

でもアメリカの軍人軍属が起こす「犯罪」が嫌いで嫌なのである。それは全ての国民が思うことだろう。

政府も米軍も判を押したように「綱紀粛正」「再発防止」「関係者への教育」をこれから言ってくる。でもそう言い続けて復帰後5800件余りの事件が続いている。
もはや米軍基地、軍人、軍属の「数」そのものを減らすしか道は無い。

私の身近には今回の事件で亡くなった彼女と同じ年頃の子ども達、友人知人は多い。決して他人事ではない。「他人事ではない」と思う人が増えないといけない。

せめて彼女の魂が穏やかになるための一助になるような行動をしていきたい。

黙祷。