君九齢 ・「九齢公主」~隠された真実~


婚礼シーンに映された
     1つだけの「喜」


第7話。

 

君蓁蓁(九齢)と方承宇との婚礼シーン。

 

中国の婚礼ではよく「囍」(喜喜)という

二重の喜びの文字を使います。

 

これは文字通り、

「結婚した二人の喜び」と「家族・親族の喜び」

を合わせて表すためで、

とてもおめでたいシンボルです。

 

でも、

九齢と方承宇との婚礼のシーンでは

1つだけの「喜」が

アップで映されます。

 

この演出には

どんな意味が込められているのでしょうか?

 


「喜」と「囍」の違い

●喜(xǐ)

  単体の「喜」は
  「うれしい」「おめでたい」という意味で、

  日常でも祝い事や喜びを表すときに使います。

 

  「士」「口」「豆」「壴(太鼓)」などの

  部首が組み合わさっていることから、

  **「祝祭の太鼓で喜びを表す」**ことを

  象徴していると言われます。

 

●囍(双喜 / shuāngxǐ)

  「囍」は「喜」を二つ重ねた文字で、

  **「双喜」**

  と呼ばれることもあります。

 

  結婚や大きな祝い事に使われることが多く、

  二重の喜び=夫婦と家族の両方の幸せを象徴。

  

  二つの「喜」が並ぶことで

  華やかさ・お祝い感を強調します。 

 


ドラマで「喜」を
   一文字だけ使った理由

「囍」は、完全な喜びを表します。

 

しかし、

九齢と承宇の婚礼は一見お祝いでも、

承宇の厄払いの名目のもので、

本当の婚礼ではありません。

 

さらに、

物語の中の九齢の心の声。

 

「たった十数年の人生で3度も婚約を結んだ」

「本当の私が結んだ婚約は一度もない」

「いつか心から望む人と一緒になれるだろうか」

 

九齢の複雑な心情をも

表しているように感じられます。

 

婚礼シーンなのに「囍」ではなく

「喜」だけという違和感で、

この婚礼が普通の結婚ではないことを

無言で伝えています。

 


まだ、二重の喜びが
     完成していない

つまり、1つだけの「喜」は、

 

婚礼という形式だけではなく、

登場人物たちの

心情や運命のすれ違いも含めた

「喜びの完成形」を示唆しているのです。

 

そして、物語上の伏線として、

「これはただの婚礼ではないぞ」

という緊張感や特別感を

与えています。

 

また、

九齢の複雑な立場を、

「喜」一文字で表すことで

純粋な喜びだけではないと

暗示しています。

 

「喜」とだけ映すのは、

単なるおめでたさの表現以上の意味があり、

物語の緊張感や主人公の複雑な心情を

視覚的に示しています。

 



中国語の漢字一文字でも、

意味やニュアンスが深く、

演出で使うと物語の心理や伏線を

伝える力があります。

 

ドラマ「君九齢」は

まさにこうした細かい演出が秀逸ですね。

 


 

最後までお読みいただき

ありがとうございます。

 

ドラマを楽しむ一助となれば幸いです💕