主役を映さない
 ラストに込められた、
       最大の敬意
        ~君九齢 より


中国ドラマ『君九齢』の最終話。


物語はハッピーエンドで幕を閉じる

はずなのに、

画面に映されるのは

主役の姿ではありません。

 

結ばれたはずの二人を、

あえて“見せない”まま終わる——


この演出には

明確な意図があります。

 

それは、

九齢公主への最大の敬意です。

 

九齢は、

生まれたときから

運命に縛られ続けた人でした。


肉親を失い、名前を失い、顔を変え、
自分の人生を一度として

「自分のため」に選べなかった人。

 

そんな彼女が、

ようやくたどり着いた“自由”。


その先にある未来だけは、

誰にも決めさせず、
視聴者ひとりひとりの心にゆだねる——。

 

「九齢はこれから、

あなたの想像する幸福へ歩んでいくよ」


という、

静かで美しい

解放のメッセージなのです。

 

中国ドラマでは、
最終話で主役が抱き合ったり、

旅立ったり、


“目で見える幸福”を

提示することが一般的です。

 

だからこそ、

『君九齢』のラストは

異例でありながら、
驚くほど深い余韻を残します。

 

九齢公主は、

強さと知性と優しさを

あわせ持つ女性。


運命に翻弄されても、

最後まで気高く立ち続けた彼女に、
「未来を自由に生きてほしい」


そう願う制作陣の想いが、

このラストに込められています。

 

見せないことで、

より鮮烈に心に残る。


余白が、

彼女の未来を

無限に広げていく。

 

それが、

『君九齢』が愛され続ける

理由のひとつなのだと

思います。

 


 

 

最後までお読みいただき

ありがとうございます。

 

ドラマを楽しむ一助となれば幸いです💕