―『美男〈イケメン〉宮廷
〜麗しき4人の皇子たち〜』―
なぜ「鍼治療のシーン」が
ほとんどないのか
中国ドラマでは、
煎じ薬・塗り薬・鍼治療は
定番の医療描写として
よく登場します。
しかし
「美男イケメン宮廷麗しき四人の皇子たち」では、
煎じ薬と塗り薬が
物語の中にたびたび登場する一方で、
鍼治療のシーンはほとんど描かれません。
ヒロインの部屋に
鍼が置かれていた場面はありますが、
施術の描写は控えめになっています。
この違いには、
作品全体の“テーマと雰囲気”に合わせた
演出の意図が感じられます。
ゆっくり効く「煎じ薬」は、
物語に“時間”を生み出す
煎じ薬は、
煎じる → 運ぶ → 飲ませる → 看病する
という流れが自然に生まれます。
この動作が
-
登場人物同士の会話
-
距離の縮まり
-
優しさの積み重なり
を描きやすく、
恋愛ドラマではとても相性の良い
医療描写です。
本作は
“感情のゆっくりした変化”を
丁寧に描いているため、
煎じ薬が選ばれたのは
とても自然な演出と言えます。
「塗り薬」は“触れる距離”
の象徴
塗り薬のシーンは、
直接、傷に触れて手当てする
という親密さが生まれます。
-
皇子がヒロインの傷に触れる
-
ヒロインが相手の怪我をそっと治す
といった場面は、
優しさやときめきを演出する
重要な瞬間になります。
作品の柔らかな恋愛描写と
非常に相性の良い医療表現です。
では、鍼治療が少ない理由は?
鍼治療は本格的に描こうとすると、
-
見た目の緊張感が強い
-
痛々しさを感じさせる
-
医術の専門性が必要で、誤りが目立ちやすい
-
重い雰囲気の場面になりがち
といった特徴があります。
「美男イケメン宮廷麗しき四人の皇子たち」は、
“柔らかな恋愛”と“穏やかな宮中ドラマ”
が作品の基調です。
そのため、
鍼治療の持つ緊迫感や重苦しさは
作品のトーンに合わず、
あえて控えられていると考えられます。
ヒロインの部屋に
“鍼”だけ置かれていた意味
作品中、
ヒロインの部屋で鍼が
登場するシーンがあります。
これは、
-
ヒロインに医術の知識があること
-
人を救う役割を担う人物であること
-
物語後半への伏線的なアイテム
を静かに示すための“象徴”として
使われている可能性が高いです。
施術シーンが
重くなるため控える一方で、
「彼女は治せる人である」
という設定だけは丁寧に残している、
と言えます。
まとめ
本作で鍼治療の場面が少ないのは、
単なる省略ではなく、
物語のテーマと雰囲気に合わせた
意図的な演出と考えられます。
-
煎じ薬 → 心の距離を縮める“時間”の演出
-
塗り薬 → 優しさと親密さの演出
-
鍼治療 → 重く緊迫した雰囲気になるため控える
医療描写ひとつにも、
物語のトーンを守るための
細やかな配慮が感じられるのが、
このドラマの魅力でもあります。
針治療のシーンが少ないということも
中国ドラマの表現の一つなんですね。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
ドラマを楽しむ一助となれば幸いです💕
