―『美男〈イケメン〉宮廷
〜麗しき4人の皇子たち〜』―
「未央宮」という
名前に込められた意味
中国ドラマ「美男イケメン宮廷麗しき
四人の皇子たち」では、
皇后の居所として登場する建物の名称が
「未央宮(びおうきゅう)」とされています。
*字幕では「びようきゅう」となってますが、
これは字幕やドラマのナレーションで用いられる
読み方で、「おう」の音が「よう」と少し変化して
いるだけで、意味は同じです。
この呼び名は実在の宮殿に由来し、
前漢・武帝の時代に作られた
壮大な宮殿の名前です。
「未央(wèiyāng)」とは、
“果てしない”“尽きることなく続く”
という意味を持つ言葉。
そのため未央宮は古来より、
「終わりなき繁栄」「絶えざる皇権」
「権力の中心」
を象徴する存在として語られてきました。
ドラマの中で、
この未央宮が皇后の住まいとして
設定されているのは
非常に象徴的です。
権力への執着が強い皇后という人物像と、
“尽きることのない支配を望む宮殿”
という名称が、
見事に重なり合っているからです。
第十一皇子の初登場シーンに
隠された暗示
物語の後半で
大きく変貌していく第十一皇子。
彼が初めて登場するのが、
まさにこの未央宮の前庭での
シーンでした。
側近を的にして
パチンコのようなもので遊んでいる――
一見すると無邪気な登場ですが、
よく見ると、
-
人を“遊び道具”のように扱う態度
-
権力を持つ者の残酷さの芽
-
支配欲の片鱗
が丁寧に描かれています。
そしてその場所が、
権力の象徴である未央宮の前で
あることは極めて意味深です。
まるで脚本が
「彼はここから権力の中心へと
歩み出す人物である」
と暗示しているかのように見えます。
未央宮は“終わらない権勢”の象徴。
その前で登場する第十一皇子は、
のちに権力のために変貌し、
中央へと近づいていく運命を
すでに背負っているのです。
未央宮という舞台が照らす、
権力と変貌の物語
皇后が築こうとした権勢、
そして第十一皇子がのちに
手にしようとする力。
二人に共通する“権力への欲望”が、
未央宮という名の建物によって
物語の深層に
美しく刻み込まれています。
皇后の住まいであり、
第十一皇子の物語の
始まりの地でもある未央宮。
その場所はただの背景ではなく、
登場人物たちの「権力の系譜」を
象徴する重要な舞台
と言えるのです。
最後までお読みいただき
ありがとうございます。
ドラマを楽しむ一助となれば幸いです💕
★皇子たちの住まいの建物の名前の意味は
↓こちらのブログをご覧ください。

