―『美男〈イケメン〉宮廷
〜麗しき4人の皇子たち〜』―
「コンミンタン=孔明灯」
天に願いを託す祈りの灯
~公子不可求 14話・19話より
第14話。
ルーレンジアが第四皇子の誕生日に
天灯(てんとう)を9つ上げる――
第19話。
ガシ国公主ジアレンとなったヒロインと
公主の護衛に成りすました第四皇子が
天灯(てんとう)を1つだけ上げる――
このことには、
深い象徴的な意味が込められています。
✨1. 「天灯」=
「孔明灯(コンミンデン)」とは?
第四皇子が口にした「コンミンデン」は、
中国語では 孔明灯(Kǒngmíngdēng / コンミンデン)
と書きます。
孔明灯(天灯)
= 空に上げる灯籠(スカイランタン)
願いごとを書いて天に上げ、
天へ祈りを届けるという意味があります。
語源は三国志の諸葛亮・孔明が戦で使った
「空飛ぶ灯籠(伝令用)」から来ており、
後に「願いを天に届ける灯」として
民間行事にも広まりました。
つまり、「コンミンデン=孔明灯」は、
天に願いを託す祈りの灯なんです。
✨2. 「天灯を9つ上げる」意味
この「9」という数、
-
中国では「九(jiǔ)」は
「久(jiǔ)」と同音で、
“永遠・長久・永続” を意味する
縁起の良い数字。 -
さらに、「九」は最大の数字として
**“至高・完成・永遠の愛”**を象徴。 -
皇帝の数字でもあり、
「天子」「永遠」「不滅」の象徴と
されます。
つまりルーレンジアが
第四皇子のために9つの天灯を上げたのは、
💫「あなたの幸福が永遠に続きますように」
💫「あなたへの想いが
時を超えて消えませんように」
という願いが込められています。
✨3. なぜ “1つだけの天灯” なのか
そして物語の後半、19話。
ガシ国の公主ジアレンとなったヒロインと、
ジアレンの護衛ジーホワンに成りすました
第四皇子が上げる天灯は、1つだけ。
そして、天灯への願いは、
2人とも同じ。
ヒロインは
第四皇子が隣にいることを願い、
第四皇子は
ヒロインが隣にいることを願います。
天灯が“1つだけ” だからこそ、
「同じ望みを持つ」
ヒロインと第四皇子の
囁くような祈りが強調されます。
✨4. 数字の象徴
― 9 と 10 の意味
① 「9」=未完成/極まるがまだ満たされない
中国文化では「9」は最大の陽数で、
極まった数ですが “未完の数” とされます。
だから9つの天灯は
-
届かない願い
-
まだ満たされていない想い
-
叶う寸前で止まっている関係
を象徴します。
(14話の段階では、二人の関係は
「まだ辿り着けない」ものでした)
② 「10」
=円満・完成・成就
9に1が加わって “10” になると、
意味がガラッと変わります。
中国では
「十全十美(シーチュエンシーメイ)」
=完全、完璧、すべてが満ちた状態
という成語があり、
10は「満ちる」「完成する」数字。
つまり後半の1つの天灯は、
“未完だった願いを完成させる
最後のひとつ”
を象徴している、
と読むことができます。
✨5. 物語的に読むなら
① 9つの願い → 二人の「叶わぬ想い」
第四皇子は彼女への想いを伝え、
プロポーズ。
しかし、
ヒロインはゼロのままの好感度では、
ゲームの世界から退出することができない。
第四皇子への想いを諦めなければならない。
② 最後の1つ
→ “二人の願いがひとつになる瞬間”
後半で上げる天灯は
2人の世界だけで灯される、唯一の祈り。
たったひとつだからこそ、
それは二人の心が「ひとつ」になっている
ことを示す象徴になります。
✨まとめ
1つだけ上げる天灯は、
“9つでは届かなかった願いを
完成させる最後の灯り”
という解釈が最も美しく、
物語に合っている気がします。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
ドラマを楽しむ一助となれば幸いです💕
