🌙 「九齢が陸雲旗を許さなかった理由
 ──愛よりも真実を選んだ女の矜持」


「矜持」は「きょうじ」と読み、
  自分の能力に誇りを持つこと。

物語の中で、常に冷静な九齢は

陸雲旗に対しては感情を揺るがせ

常に嫌悪の表情を見せています。

 

物語の中では描かれていませんが、

 

「もし、九齢が陸雲旗のことを

少しでも愛していたことがあったなら、、」

と考えると、

 

この感情の揺らぎは十分に

理解できます。

 

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九齢が最後まで

陸雲旗を赦さなかったのは、
彼を憎んでいたからではない。


むしろ

彼の“愛”を知っていたからこそ、

赦せなかった。

 

彼女にとって陸雲旗は、
「自分の人生を奪った人」ではなく、
「正しい道から外れてしまった人」

だった。


愛があるのに、信義を裏切り、
情があるのに、皇帝の命に従った。


九齢はその矛盾に耐えられなかったのだ。

九齢は愛よりも「義」を生きる人。


どんなに心が揺れても、
“正しいことを選ぶ痛み”から逃げない。


だからこそ、

陸雲旗を赦してしまえば、
自分の信じてきた“正しさ”が

崩れてしまう。

 

それでも、彼女の心の奥底には、
かつての陸雲旗への

微かな愛の残響があった。


その愛を消すために、

彼女は“赦さない”ことを

選んだのかもしれない。

 

赦さないという行為は、
九齢にとって

“自分を守るための強さ”

でもあり、


“彼を忘れられない苦しみ”

でもあった。


だからこそ、

彼女は最後まで涙を見せない。

 

それは冷たさではなく、
愛を知る者の、

深い祈りのような静けさだった。

 

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🌸 九齢の心の詩

あなたを赦せば、私が壊れる。
赦さなければ、心が泣く。
それでも私は、真を選ぶ。
あなたの影を抱いたまま。

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九齢にとって

「赦さない」というのは、
“愛の否定”ではなく

“信念の貫徹”なんですよね。


彼女は、陸雲旗を責めながらも、
その人間としての弱さを

誰よりも理解していた。


だからこそ、

冷たく見える沈黙の奥に、
“もう一度、生まれ変わってもあなたを救いたい”

という祈りが潜んでいるように感じます。

 

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最後までお読みいただき

ありがとうございました。

 

ドラマを楽しむ一助となれば幸いです💕