―『美男〈イケメン〉宮廷
〜麗しき4人の皇子たち〜』―

“愛とは時間の外にあるもの” 
――「公子不可求」より 

時は流れ、
名もなき季節がいくつ過ぎても、
心だけは彼のもとにとどまっていた。

 

現実の三日が、夢の中の三年となり、
その夢の六年が、

たった六日の祈りに変わる。

 

けれど――


想いは、時の速さでは測れない。
愛した記憶があるかぎり、
二人の時間は、

今もどこかで続いている。

 


この物語の魅力の一つは、

「時の流れ」が

現実世界とゲームの世界で

異なっているという設定にあります。


現実世界の1時間が、

ゲームの世界では半月――


つまり、

現実の1分がゲームの6時間、

現実の1日がゲームの1年

にあたります。

 

この壮大な時間差が、

物語に深い余韻を与えている

ように思います。

 

ルーレンジアが現実世界に戻ったとき、

たった3日しか経っていませんでした。


けれどゲームの中では、

3年という歳月が流れていました。


その3年の間、

彼女は第四皇子を愛し、

葛藤し、そして最終的には

離れることを選びました。


愛しているのに

離れなければならない――


その決断の重さを思うと、

胸が締めつけられます。

 

さらに

彼女が再びゲームの中へ戻ったとき、
そこはすでに“3年後”の世界。


第四皇子となっている

ワン・チョンイーは、


ゲームの中の時間で6年もの間、

ルーレンジアを

想い続けていたことになります。


現実の時間でいえば、

わずか6日間。


でも、

彼の心の中では、

長い年月を越えてもなお

消えない想いが息づいていました。

 

この時間のずれは、
「愛の深さは、

時間の長さでは計れない」

 

ということを
静かに語っているように

思います。

 

もし、

このような世界が

本当に存在したなら――


限られた現実の時間の中で、
人はもっと多くの感情や

体験を積み重ねていけるのかも

しれません。

 

けれど

 

この物語は、
“たとえ一瞬でも、

心が本気で愛した時間は、

永遠になる”


そんな真実を

私たちに教えてくれている

ように感じます。

 

最後までお読みいただき

ありがとうございます。

 

ドラマを楽しむ一助となれば幸いです💕