「山羊のおもちゃ」
に込められた意味
「君九齢」第四話より~
第四話で、
方家に身を寄せた君蓁蓁(九齢)が、
病の床に伏す方承宇に
“大きな角のある山羊のおもちゃ”を
手渡す場面があります。
一見、
十五歳の少年には幼すぎる
贈り物のようにも見えますが、
この小さなおもちゃには
九齢の深い祈りと願いが込められています。
■ 山羊が象徴する
「優しさ」と「吉祥」
中国では、
羊は「祥(しあわせ)」と同音で、
古くから吉祥の象徴とされてきました。
また「羔羊跪乳」(こうようがいる)
*小羊が母に跪いて乳を飲む様子を指し、孝行を表す比喩
という成語にもあるように、
羊は“恩を忘れず、
感謝を示す”存在。
つまり山羊は
「優しさ」「孝」「温かい心」
を象徴しているのです。
九齢がこのおもちゃを承宇に贈ったのは、
彼の心が穏やかで、
優しい光を取り戻すことを願ってのこと。
それは単なる玩具ではなく、
彼女なりの“心の処方箋”でした。
■ 「子どものような純粋さ」
を取り戻す贈り物
九齢自身もまた、
かつては無垢で信頼に満ちた少女
――“九齢公主”でした。
裏切りや喪失の痛みを経て、
彼女の心は深く傷ついています。
だからこそ、
承宇に贈ったのは
“大人びた贈り物”ではなく、
“子どものような
純粋さを思い出させるもの”。
九齢はそのおもちゃを通して、
「心を閉ざさないで」
「あなたの中にまだ光がある」と
優しく語りかけていたのです。
■ 角のある山羊
=「守る力」への願い
さらに、
大きな角を持つ山羊は、
仲間を守る象徴でもあります。
九齢は、
自分が守りきれなかった
“正義”や“平和”を、
承宇が受け継いでくれることを
心のどこかで願っていました。
この小さなおもちゃは、
「優しさと強さを併せ持つ人に
なってほしい」という
九齢から承宇への
“静かな祈り”だったのです。
小さな山羊のおもちゃは、
九齢の心そのもの。
それは、
優しさと希望を託した
“目に見えない愛の贈り物”
でした。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
ドラマを楽しむ一助となれば幸いです💕
