「宝糖が手を震わせた」
シーンに込められた意味
「君九齢」第二話より~
朱瓚の弟分・宝塘が、
九齢公主の訃報を知った瞬間に
手を震わせ、
水を飲めないほど取り乱す場面があります。
一見すると
九齢公主の死を
悲しんでいるように見えますが、
実はこの震えには
もっと深い意味が込められています。
宝塘は
幼い頃から朱瓚に仕えてきた
忠臣であり、
主君がどれほど
九齢公主を想っていたかを
最もよく知る人物です。
そのため
九齢公主の訃報を目にした瞬間、
「殿下はこの現実をどう受け止めるのか」
「心が壊れてしまうのではないか」
――そんな主君の痛みを
先に感じ取ってしまうのです。
宝塘の震える手は、
-
朱瓚の悲しみを予感した
“代わりの痛み”、 -
主君の心を守れないことへの
“忠義の嘆き”、 -
そして、九齢公主への
深い敬意と愛惜。
この三つの想いが
一瞬にしてあふれ出た表現といえます。
中国時代劇では、
主と家臣の関係は
単なる上下関係ではなく、
“心の絆”として描かれることが多いです。
宝塘の震えは、
その絆が切れた瞬間の共鳴であり、
「九齢公主を失ったのは
朱瓚ひとりではなかった」
――というメッセージが、
あの短い場面に凝縮されています。
たった数秒の演技に、
物語の深層が滲む。
『君九齢』という作品の
繊細さと余韻を象徴する
名シーンのひとつだと思います。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
ドラマを楽しむ一助となれば幸いです💕
