―『美男〈イケメン〉宮廷
〜麗しき4人の皇子たち〜』―
その4・感情が記憶を呼び覚ます
――AIと魂をつなぐもの
太子
ルーレンジアを妹のように思いやっていた
太子には、ルーレンジアの記憶が
全くなくなっていました、、、
太子がルーレンジアを
完全に忘れていたことは、
静かでありながら
とても意味深い描写でした。
彼にとってルーレンジアは、
恋慕の対象ではなく、
妹のように守りたい、導きたい存在。
それは“愛”というよりも、
“保護”や“導き”の情。
だからこそ、
彼の中のルーレンジアの記憶は、
「感情的な熱」を持たない
“穏やかな記憶”だったのでしょう。
AIの世界で記憶が再生されるのは、
強い感情エネルギーが
触媒になると暗示されています。
愛・痛み・後悔
――そうした強い揺らぎが、
記憶を呼び起こす。
太子のルーレンジアへの想いは、
あまりにも穏やかで、
静かで、純粋すぎたのかもしれません。
だからこそ、
データのように“消えてしまった”。
皮肉にも、
それは“傷がなかった証”でもあります。
彼にとってルーレンジアは、
「心の痛み」ではなく「祈り」だった。
記憶は消えても、
その祈りのような想いは、
どこか別の形で、
彼の優しさや言葉の端々に
残っているように感じます。
——“忘れた”のではなく、
“昇華された”のかもしれません。
それは、
痛みを越えた愛の静かな終着点
のようにも思えます。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
ドラマを楽しむ一助となれば幸いです💕
