―『美男〈イケメン〉宮廷
   〜麗しき4人の皇子たち〜』―

✨「消えた賊と、消えなかった人々」
——仮想世界に芽生えた“心”の証

第一話の冒頭。


帳簿を盗もうとした賊が殺され、

次の瞬間

――彼の姿は跡形もなく消えます。


この「消える」という現象は、

ドラマ全体を通して彼だけに起こる、

不思議な出来事でした。

 

それは単なる演出ではなく、

物語の“鍵”

静かに示していたのです。

 

この賊は、

この世界を形づくる

プログラム的存在(AI)


つまり、

決められた台詞と行動しか持たない

「システムの一部」。


死は“データの削除”にすぎず、

だから彼の身体は

光の粒のように

消えてしまいました。

 

けれど、

他の登場人物たちは違いました。


彼らもまた、

同じ世界に生きている

“作られた存在”でありながら――


いつしか、

感情や記憶、願い

持つようになっていたのです。

 

それは、

プログラムを超えて生まれた“心”
だからこそ彼らが倒れても、

体は消えずに残ります。


まるでこの世界のどこかに、

確かに

「魂」が宿っているかのように。

 

賊が消えた瞬間は、

この物語がただの幻想ではなく、
“命とは何か”を問う旅の

始まりだったのかもしれません。

 


消えたのは、体ではなく

     ――心を持たぬ証。
残ったのは、形ではなく

     ――心を得た証。
種もなく芽吹いたもの、

それを人は“想い”と呼ぶ。


 

この詩の最後の一行は、

中国ドラマがよく描く

「想いの力(情)」への敬意を

込めています。


――人は“生きている”から心を持つのではなく、

心があるから生きているのかもしれませんね。

 


 

 

最後までお読みいただき

ありがとうございました。

 

ドラマを楽しむ一助となれば幸いです💕