―『美男〈イケメン〉宮廷〜麗しき4人の皇子たち〜』―
第23話。
牢に入れられた、ガシの公主のヒロインのもとへ
第十一皇子が会いに行きます。
はじめは、
ヒロインを何としても自分の妃にする
と言っていた第十一皇子が、
目の前にいる公主が、
かつて自分が愛したルーレンジアである
という記憶を取り戻します。
そして
「やっと牢から出すことができる」
といいます。
今回は、この時、
なぜ第十一皇子の記憶が再生されたのかを
考察してみます。
第十一皇子の愛は、
どこで止まっていたのか
それまでの第十一皇子は、
- 「何としても自分の妃にする」
- 「自分が守る」
- 「自分のそばに置く」
という言葉に象徴されるように、
愛と所有が分離していませんでした。
彼にとってヒロインは、
愛している存在 = 手に入れるべき存在
だった。
だから彼の言葉は、
守るようでいて、
彼女の未来を固定する力を持っていた。
記憶が戻った瞬間に起きていた
“内側の変化”
牢の場面で決定的なのは、
彼の台詞がこう変わる点です。
- ❌「自分の妃にする」
- ⭕「やっと牢から出すことができる」
ここで初めて彼は、
- 自分の願い
- 自分の立場
- 自分の満足
ではなく、
彼女が“閉じ込められている”という現実
を見ています。
この瞬間、
彼女は 「欲しい存在」ではなく
「自由であってほしい存在」 に変わった。
なぜ、その瞬間に「記憶」が戻ったのか
この物語において「記憶」とは、
単なる過去データではありません。
記憶=その人をどう扱ってきたかの総和です。
- 所有しようとする視点では、
ヒロインは「役割」になる - 手放す視点に立ったとき、
ヒロインは「一人の存在」に戻る
だから、
人として扱える地点に立ったときだけ、
本当の記憶が戻る。
第十一皇子は、
この場面でようやく
ルーレンジアを“選択を持つ人”として思い出した。
「牢から出すことができる」
の本当の意味
この言葉は、
- 物理的に牢から出す
ではなく - 自分の欲望の牢から、解放できる
という意味も含んでいます。
彼はこのとき初めて、
愛する人を閉じ込めていたのは、
自分の想いだった
ことに触れた。
だから、
記憶が戻ることができた。
第四皇子との決定的な違い
第四皇子は、
最初から最後まで
- 所有しなかった
- 選択を奪わなかった
だから、
記憶を失うことがなかった。
第十一皇子は、
最後の最後でそこに触れた。
遅かったけれど、
それでも――
触れた。
この物語は、
彼を完全な悪としては描いていません。
最後に
第十一皇子は、
「所有する愛」から「手放す愛」に変わった。
その瞬間に記憶が再生された。
そして、
「手放す」という選択をした瞬間、
彼は初めて“愛した人を思い出すことができた”
ということです。
それは救いであり、
同時に、とても切ない瞬間でもあります。
最後までお読みいただき
ありがとうございます。
ドラマを楽しむ一助となればうれしいです💕
