資料紹介

日大通信 美術史 課題2 2019年~2022年 合格レポートです。丸写しは避け、資料としてお使いください。皆様の学習に役立ちますように。

資料の原本内容

B11400 美術史 課題2
鎌倉時代の彫刻について、運慶、快慶など慶派の仏師の作例をあげて述べなさい。
鎌倉時代は、武士が台頭する一方で、旧来の貴族勢力が、彼らと争いながら自らも変質を遂げていった時代である。
美術の世界では、平安末期の観念的かつ耽美的な傾向が深まる中で、現実感や実在感を求めた表現が胎動し始める。それは早く彫刻において現れ、二十五歳の若き運慶が天賦の才を表し、以後仏師界を牽引する。彼ら慶派仏師がその活動を飛躍させたのは、一一八〇年の平重衡による南都焼討の後の、東大寺・興福寺の復興作業であった。中でも一二〇三年の東大寺南大門金剛力士像は、その雄々しい巨大さにおいて、代表的な作品となっている。
運慶らの量感豊かで力強い作風は、武士の好みに合致し、彼らの活動は、頼朝やその御家人たちと結びついて関東や地方に広がっていった。
運慶の作風には量感が漲り、その写実性と空間の大きさ、存在感の強さなどに特色が見出される。運慶は一一七六年、現存最古の玉眼(実際の人間の眼のように水晶がきらきらと輝く構造をもたせる技法)彫刻である円成寺大日如来を製作して頭角を現し、その後鎌倉幕府と結びつくこ...
 
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