資料紹介

【聖徳大学通信心理】感情・人格心理学Ⅰ 情動 評価S

資料の原本内容

身体活動や内臓活動が生じることで、初めて情動の体験が起こるという「ジェームズ=ランゲ説」がある。これは、日常場面で考えると、ヘビを見たという刺激が中枢に伝えられ、心肺活動が変化(脈拍の上昇、瞳孔の散大など)した後に、ヘビという知覚が起こるというものである。家に帰ってきた時に知らない人がいた時なども、顔をよく見ると「知らない人」と認知ができるが、認知の前に驚きや恐怖が起こることが想定される。このジェームズ=ランゲ説を批判したのが「キャノン=バード説」である。
キャノン=バード説では、ヘビを見た情報は視床に送られ、視床は大脳の感覚皮質に情報を送る一方、同時に視床下部にも情報を送る。大脳の感覚皮質では、送られてきた刺激の情報・刺激パターンを分析し、「怖い」や「嫌い」などの感情体験の内容・種類が決定され、視床下部に送られた情報によって心拍数が上がる、息が荒くなる等の身体反応が生じることになる。つまり、キャノン=バード説は「怖い」という情動と、心臓が高鳴るなどの生理的反応は同時に起こると主張している。しかしこの2つの理論だけでは身体反応が同じでも情動が異なる場合があることに対して説明ができない。...
 
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