タクマクニヒロの 原点シリーズ"音のない記憶3"です。

大学時代に住んでいたアパートの前に、こんなグラウンドがありました。
 

ある朝、外に出てみると、
グラウンドが霧にすっぽり包まれていたんです。
 

音もない。
人もいない。

ただ、静かな空気だけが広がっていました。
 

地面には白線が、霧の奥へ向かってすーっと伸びている。
 

何か特別な出来事があったわけではありません。
 

でも、その光景が妙に気になって、
カメラを向けてシャッターを切りました。
 

あの頃の僕は、
将来カメラマンになるなんて思ってもいませんでした。
 

ただ写真が好きで、
写真部の暗室で撮ったフィルムを現像して
プリントしている時間が楽しかったんです。
 

赤い暗室の光の中で、
印画紙の上にゆっくり像が浮かび上がってくる。

あの時間が好きでしたね。
 

将来のことはというと…

この写真の霧みたいに、
正直、よく見えていませんでした(笑)

 

でも不思議なもので、

こうして何十年も経って見返してみると、

「ああ、こういう静かな景色が好きだったんだな」

と、当時の自分を思い出します。

 

派手な写真ではないけれど、
こういう一枚が、僕の原点なんだと思います。

 

だからこのシリーズのタイトルは
「音のない記憶」
 

こういう写真を見ると、
やっぱり思うんですよね。
 

写真って、本当~にいいものですね。

 

ちなみにみなさんは、
この写真を見てどんな感じがしましたか?

仙台の大学時代に撮った一枚です。


冬の北海道、吹雪いていた霧多布。

真っ白な世界の中に、木がぽつん、ぽつんと並んでいました。

 

風は強いし、顔も痛いし、
正直、長く立っていられるような状況じゃなかったと思います。

 

それでも、この景色に惹かれてシャッターを切りました。

 

何もない。

色もない。

音もない。
 

ただ、そこに立っている木。

 

当時の僕は、
ドラマチックな瞬間よりも、

こういう静かすぎる風景のほうが好きだったみたいです。

 

気がつけば、
プロカメラマンになり、長いこと写真を続けてきました。
 


こういう静かな景色に心が動くところが、
昔も今もあまり変わっていないみたいです。



この写真を撮ってから数十年後
写真家マイケル・ケンナの写真を見て大好きになったのですが


もし大学時代に知っていたら

冬の北海道で撮りまくってたと思います(笑)

 


写真って、本当〜にいいものですね!




 

これから、カメラマン・タクマクニヒロの原点シリーズの作品を、
ブログでも少しずつ紹介していこうと思います。

 

最初の一枚は、
仙台の大学に通っていた頃、
大好きだった冬の北海道・釧路で撮った写真です。

 

釧路といえば鶴ですが、
これは鶴ではありません(笑)。

 

雪に埋もれた真っ白な公園で、
ひとり休憩していたときのことです。


空気は凍るように冷たくて
音が吸い込まれるように静かでした。

 

何気なく空を見上げたら、
鳩の群れが、ぐるぐると円を描くように旋回していました。
 

 

真っ白い空に、黒い点のリズム。
 

その瞬間、反射的にシャッターを切りました。

 

あの頃の僕は、
自分が将来カメラマンになるなんて、
まったく思っていませんでした。

写真は好きだったけれど
「仕事にする」という発想は、まだ遠い世界の話。

 

ただ「きれいだな」と思ったから撮った。

それだけです。
将来のためでも、評価のためでもない。
心が動いた瞬間を、そのまま受け取った一枚でした。

 

何十年も経ってからあらためて見てみると、
思っていた以上に、静かで、美しい。

 

あの頃の自分に会えたら、

「お前、いい写真撮ってるなぁ」

って言ってやりたいですね。

 

この原点シリーズは、
まだ何者でもなかった自分との再会のような気がします。





 

そして今回、
この写真をA3サイズでプリントし、サインを入れて額装してみました。
 

すると不思議なことに、
ただの“昔の写真”が、
ちゃんと「作品」として目の前に立ち上がってきたんです。

 

若い頃の自分が無意識に掴んでいた感覚が、
何十年も経った今の自分の手で、そっと形になった。
そんな気分です。




 

この作品は、
サイン入りの額装プリントとしてもお届けしています。
 

もし、この静けさを
ご自宅のどこかの壁に飾ってみたいな、と感じてくださる方がいらしたら、

こちらから、お気軽にメッセージください。
 

 

 

 

 

 

 

10年くらい前、撮影の合間にアシスタント君が撮ってくれた一枚。

 

年末にふと見返したら…思わず声を出して笑ってしまいました。

 

そんなわけで、カメラマン人生ではじめて

 

「自分の写真」を年賀状にしてみることにしました(笑)

 

新しい年のスタート、少しでも笑ってもらえたらうれしいです。


今年の秋からスタートした
Inner Portrait「今の私・Love myself」。

 

 

カメラの前に立つ時間は、


ただ写真を“撮られる”ための時間ではなくて、



自分の内側に静かに光を当てていくような、



そんな優しい時間でもありました。


 

 

そして、額装された一枚の写真になって、少し距離を置いて自分を見たときに、
 


「私って、なかなかいいじゃん」
 


そう思ってもらえたら嬉しいです。

 


自分を責めるでも

人と比べるでもなく


ただ“今の私”をやさしく肯定してあげるきっかけになったら本望です。

 


 

それぞれの物語と出会えたこと、


僕にとって大切な宝物になりました。


本当にありがとうございました。
 

 

また来年、あなたの「今」と出会えることを楽しみにしています。

 

それでは、良いお年を~!

 

Inner Portrait ー「今の私・Love myself」の詳細はこちらから↓
https://www.k-takuma.com/portrait/