タクマクニヒロの 原点シリーズ"音のない記憶3"です。
大学時代に住んでいたアパートの前に、こんなグラウンドがありました。
ある朝、外に出てみると、
グラウンドが霧にすっぽり包まれていたんです。
音もない。
人もいない。
ただ、静かな空気だけが広がっていました。
地面には白線が、霧の奥へ向かってすーっと伸びている。
何か特別な出来事があったわけではありません。
でも、その光景が妙に気になって、
カメラを向けてシャッターを切りました。
あの頃の僕は、
将来カメラマンになるなんて思ってもいませんでした。
ただ写真が好きで、
写真部の暗室で撮ったフィルムを現像して
プリントしている時間が楽しかったんです。
赤い暗室の光の中で、
印画紙の上にゆっくり像が浮かび上がってくる。
あの時間が好きでしたね。
将来のことはというと…
この写真の霧みたいに、
正直、よく見えていませんでした(笑)
でも不思議なもので、
こうして何十年も経って見返してみると、
「ああ、こういう静かな景色が好きだったんだな」
と、当時の自分を思い出します。
派手な写真ではないけれど、
こういう一枚が、僕の原点なんだと思います。
だからこのシリーズのタイトルは
「音のない記憶」。
こういう写真を見ると、
やっぱり思うんですよね。
写真って、本当~にいいものですね。





