前回の記事http://ameblo.jp/happybp/entry-10404838505.html
の続きー。

クライアントからの宿題についてです。

クライアントは来年1月、お友だち同士でテニス合宿に参加される予定です。

しかしながら、まだお友だちには円形脱毛症があり、ウィッグであることを告げられていません。

クライアントの場合、「隠すのは嫌。相手から言われるくらいなら自分から言う」派だと仰っています。

そこで、3つの問題解決策を教えて欲しいという事でした。

1,温泉にはどうやって入れば良いか。
2,相部屋だが、寝るときはどうすれば良いか。
3,スポーツをすると汗をかくが、ウィッグはどうすれば良いか。

私の家族の経験で言うと、
1,洗髪はせず、そのまま入っていました。
2,どんな出張に何度行っても1人部屋にしてもらい、部屋の中ではのんびり外して生活していました。
3,家族は汗をかきませんでした…。。。(投薬のせいで細胞が死んでいたからだと思います。)

と、まぁこんな感じで全くアドバイスにならず涙

そのことを正直につげ、いったん宿題?を持ち帰ることにしました。

家で、専門家でもある両親と、当事者であった家族に相談・・・

すると、一言「色々我慢する!」と帰ってきましたガクリ

そうじゃなくて!!我慢はするけれど何かいい案ない!?と聞くと、、、

1,温泉での洗髪は諦め、ウィッグが嫌なら不透明のシャワーキャップ・幅の広いヘアーバンドをする。

2,ウィッグを被ったまま寝る。それが嫌なら幅の広いヘアーバンドをする。

3,我慢をするか、夜洗う。もしくは、洗い替え用のウィッグをもう1個持って行って取り替える。

こうなりました。

家族は、お家柄、簡単に不透明シャワーキャップも幅広のヘアーバンドも手にはいるし、

被ったまま寝たとしても、上手に寝癖直しが出来ます。

洗うのだって、パッパとやってリカバー出来ます。

私は正直、そういうところをサポートしたいのだ!ともどかしく思いました。






それに、幅広のヘアーバンドをしたところで、てっぺん(頭頂部)が見えます。

「てっぺん見えるやんんー

と、いうと、またそれは仕方ないやんー。と返されました。

そして、またまた私はそういうところをサポートしたいのに!ともどかしく思ってしまいました。。。






そこで!

いいアイディア思いつきました!!






それは…

幅広のヘアーバンドに、トップピース(頭頂部用部分ウィッグ)を縫いつけ、寝ていてもはたからは黒い毛が見えていてわからない…というもの。

家族はえぇー??と言っていましたが、私は「そういうこと」なんだと思います。






ここまでの話をクライアントにしたところ…

クライアントまでもが「それなら帽子を被って寝る!!笑」と言いました。

でも、ここはぐっとこらえる時かも。と思ってじっくり話してみました。






クライアントには地位も立場もあります。そして勿論プライドも。

自らが脱毛症であることを「今度行く人たちは仲良い人たちやし、これを機にカミングアウトしてもええんやけどなぁ・・・」と数回言っていました。

もちろんクライアントは脱毛症とは言っても頭部だけです。体毛は残っているので、お風呂での話だけをすれば違和感はありません。

しかし、決してカミングアウトしたいわけではありません。

ご自身でも「ウィッグの下を見えたのはあなた(私)と医者ともう何十年も行ってる美容室の人だけ。仕方ないから。」と仰っていました。

勇気と受容の話。

受容は決して簡単に出来るものではない。

だからこそ、いかにその瞬間をより良く生きることが出来るか。が大切です。

だからこそ、やり過ぎかと思うようなことでもやってみる価値があると思うのです。






それに…なんて言うか…ウィッグ1個だと不自然だと思いませんか?

スポーツしていたのにお風呂では髪の毛を洗わず、寝るときも起きてからもずっと同じ髪型。。。

おかしくはないとは思いますが、何も知らない人から見れば不自然です。

変化があって良いと思うのです。

スポーツをするときはウィッグ。

お風呂ではシャワーキャップ。

寝るときはターバン。

起きたらウィッグ。って感じで。






本題に戻りますが…これまでクライアントと会話を交わし私が感じたこと。

それは「どうしても見せたくないものを勇気を出してまで見せる必要はない。受容できていない分心の傷は深くなる」ということです。

クライアントを傷付けてはいけないと思いましたが、お節介な私は後悔したくないしさせたくないと思い、言葉を選び勇気を出して、

「今、残っている髪の毛があり、隠せないこともないですよね、だから、今一番良い方法を探っていませんか?全部をさらけ出さなくても良い方法を。きっと残っている髪の毛が全く無かったら、必死に我慢してでもウィッグを外さなかったと思うんです。どうですか?でも、髪の毛が残っています。さっきの方法なら、ヘアーバンドからもみあげなどを見せることで自然な感じにしながらも、一切地肌を見せずに、そして快適に過ごせると思います。この問題はみんなが抱えている問題でもあるのです。考えてみませんか?」

と言ってみました。

クライアントは私が何を言い出すのかと最初は驚いていましたが、

軟らかい表情で「確かに。うん。」と言ってくださいました。

私も真剣で泣きそうだったので、ホッとしました。

今度は、不透明のシャワーキャップと、トップピース付ヘアーバンドをご用意することになりました。