昨年末、マヂカルラブリーさんのM-1グランプリ優勝と共に物議を醸した


『漫才の定義』。


しゃべくりや、二人の掛け合いを芸に昇華させてこそ漫才であり、


野田クリスタルさんが動き回り、それに合わせて村上さんがツッコむ漫才のスタイルを、


「あれは漫才ではない」


と一定層から批判が起きたというのが、漫才の定義論争のざっくりとしたの概要でした。


そもそも漫才に定義なるものはあるのでしょうか?


かつてテツandトモさんがM-1の決勝の舞台に立ったときは、十八番芸のギターに合わせて歌って踊るネタを披露し立川談志師匠にベタ褒めされていたし、


サンドイッチマンさんは、コントをセンターマイクの前でやったもので、M-1グランプリ優勝を果たしています。


漫才の定義など、実にあやふやなものなのです。


そう考えているといてもたってもいられず、


普段漫才などやらない我々シューマッハも、


M-1グランプリ2021に挑戦してみることにしたのです。


そう、



犬ネタで。




そして、結果は、





2回戦敗退!


散るの早っ!!


正直ある程度の手応えを感じており合格しただろうと高をくくっていたのですが、そう甘くはありませんでした。

ちなみに厳密には2回戦では犬にはなりませんでした。

シューマッハが犬だけの芸人だと思ってもらっちゃ困ります。

心外です。


象やキリンになったのです。


僕が象やキリンなど、計6種類の動物に変身するというネタをやったのです。

しかし本当に仕込みが大変でした。

登場時はTシャツにジャケットという出で立ちですが、

その後スムーズに色々な動物に変身するため、

変身する動物の色の全身タイツを、最後から逆算して全部下に着ているのです。

Tシャツとジャケットと合わせると、計8枚を着ていたのです。

出番前から汗だくになっていました。

まあおそらくここまで特殊なスタイルでM-1予選に出場したコンビはいないと思うので、

この日に体験したことや感じたことをまとめておくことにします。

今後似たようなスタンスでM-1に挑戦する若手芸人の方がいましたら、何かの参考になれば幸いです。



①本番前の楽屋

他の漫才師の皆さんがビシッとスーツに着替えている中、僕1人だけピタッと体に密着する全身タイツに着替えることになるので、その姿を横目で見られ恥ずかしい思いをする。


②出番直前

密を避けるためどのコンビも楽屋の入り時間がギリギリに設定されている中、
僕は衣装の下に6枚の全身タイツを仕込まねばならぬ上、ネタバレにならぬよう一枚一枚下のタイツの色が首の部分や袖の部分から見えないよう細心の注意を払って仕込みをするので、他のコンビが直前までネタ合わせをしている中、着替えに時間を奪われ全くネタ合わせができない。


③舞台袖

舞台袖で出番順に待機しているとき、僕一人だけ沢山の動物のお面が入った大きな箱を持って立っているので、ただでさえ狭い通路がさらに狭くなり迷惑をかける。


④本番中

ネタの進行につれ、舞台上に使用済みの動物のお面や脱ぎ捨てた全身タイツがどんどん散乱していくので、オチに向かうにつれ、舞台を仕切る袖のスタッフさんにどんどん怪訝な顔をされる。


⑤出番終わり

MCをしていたレギュラーさんに、「君たち漫才の大会って知ってる?」って心配される。


以上です。


M-1グランプリの審査基準として唯一掲げられている、


『とにかくおもしろい漫才』


この日の審査員の方から見た僕らのネタは、『漫才』ではなかったのか、

そもそも『とにかくおもしろい』わけではなかったのか、

その両方を満たしていなかったのかはわかりませんが、

会場でネタを見て笑ってくれた方、

拍手までしてくれた方、

本当にありがとうございました。

現在3回戦の真っ只中。

勝ち進んだ漫才師の皆様、ご健闘をお祈りしております。



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