この夏旋風を巻き起こしている

映画「カメラを止めるな!」。

もちろん、僕も見に行ったのですが、

内容の面白さより感動したのが、

主演の濱津隆之さんです。

制作費は300万円、出演されている俳優さんも皆さん無名と名を打っているわりに、主演の方はどこかで見たことがあるな・・

何か他の映画やドラマで見たことがあるのかな・・

と思っていたら、何と!

僕がよしもとの養成所に通っていたときの同期だったのです!

しかも、養成所にはクラスがあるのですが、僕と同じ4組の仲間だったのです!

濱津隆之さんは実は、

お笑いコンビ「はまつとコバ」のはまつ君だったのです!

それを知り、当時の思い出が蘇ってきました。


今から13年前の養成所生時代のこと。

養成所に通っていた同期だけでも500人以上いたと思います。

そんな中20組だけが出演できる初めての舞台に、

「はまつとコバ」

そして僕が当時組んでいたコンビ、

「快速チャッカマン」

も出演することになったのです。

他には、後にキングオブコントチャンピオンとなる「シソンヌ」や、パンサーの向井君が当時組んでいたコンビ「アジサイ公園」もおりました。

僕はとにかく緊張し、お客さんの顔なんて一切見る余裕もなく、台本をただただ丸暗記しただけの2分10秒の漫才を、汗を吹き出しながらやり切りました。

そして出番が終わった後は、他のクラスに親しい芸人がいなかったので、同期だけど僕らより5才も年上コンビだったはまつ君やコバ君に弟のように寄り添い過ごしました。そんな青春時代を、昨日のことのように覚えているのです。

それから13年の月日が流れました。

はまつ君はすぐにお笑いをやめてしまったけど、今別の世界で眩しすぎる脚光を浴びています。

それが嬉しくて嬉しくて、

いてもたってもいられず、

はまつ君にTwitterを通してダイレクトメールを送ったのです。


『久しぶり!吉本の養成所で同じクラスだった快速チャッカマンの中村竜太郎です!映画最高でした!僕は今サンミュージックでシューマッハというコンビでやっています!現場で会うことがあったら久々に色々お話しよう☆』


そしてはまつ君から返信が来ました。







『わざわざありがとうございます。』





敬語で、





一行。






すぐに察しました。






はまつ君、俺のこと覚えてないな・・




いや、はまつ君は全く悪くないんです。

一緒に過ごしたのはたかが1年だし、

僕はシソンヌや向井君みたいに、養成所時代から常にトップにいた存在じゃなかったから印象にも残ってなかったのだろう。

でも何が許せないかというと、

俺が、

「よくいる地元のミーハーな奴」

みたいになってしまったということ!

俺ですら、ちょっと有名な番組に一瞬出ただけで、Facebookを通じて一度も喋ったことがない学生時代の同級生から「今度飲みに行こう!」と連絡が来たりするんです。

その度に俺は、

(誰だこいつ。)と思いながらも

『ありがとうございます!』とだけ返信し、

それと同時に

(こういう奴にだけはなりたくない)

と軽蔑していたのですが、

そういう奴に、



俺もなっちゃったんです!



僕は今、激しい自己嫌悪に魘されています。

はまつ君が嫌な気持ちになっていたら本当に申し訳ないな。

のたうち回りたいくらい自分が嫌いになるな。

こんなことで贖罪になるのかどうかはわからないけど、

これだけは決めました。

今後、はまつ君に会うことがあったら絶対、


「濱津さん」と呼ばせて頂きます。