高2のときの学園祭で、友達と2人でカラオケを歌ったことがありました。

場所は体育館。全校生徒の前でです。

思春期真っ中。女子の前で目立てるチャンスだという目論見からでした。

しかし、一緒に歌った友達がいけませんでした。

その友達は学校一のイケメンで、女子の間で陰で「貴公子」と呼ばれていた男だったのです。

それと引き換えに当時の僕は、野球部で坊主で色黒で眼鏡でガリガリで、見た目はほとんどインドの指導者ガンジーでした。

すると何が起こったかというと、

二人でハモっていても、客席の誰も僕を見ていないかったのです。

全校生徒1000人の2000の瞳が、ずっと僕の隣の貴公子を捉えていたのです。

女子だけでなく男子もです。

まだ、貴公子のソロパートや二人でハモるパートでならわかります。

僕のソロのパートでも、ただ足でリズムをとっているだけの貴公子に全校生徒は釘付けで、誰一人僕を見ていないのです。

僕をいないものとし、二千の黒目が磁石に吸い寄せれるよう右に寄った光景を、僕は一生忘れることはないでしょう。

そしてそれから数ヶ月後、昼休みにたまたま近くのイケてる女子達が、学園祭のカラオケでの貴公子の話をしていました。

「貴公子ってイケメンな上に歌上手いとか完璧だよね!」

これはイケてる女子達の話に入れるチャンスだと思い、僕は意を決して話しかけました。

「俺のハモリも良かったでしょ?」

すると衝撃の一言が。





「中村君出てたっけ?」





「中村君出てたっけ?」





「中村君出てたっけ?」





「中村君出てたっけ?」




見た目ガンジーなのに、心の中で暴れまくりました。




僕は学びました。

強く光が放たれると、

霞んでしまうものがあるということを。

おろか周りを陰にすらしてしまうということを。

でも強い光に罪はなくて、

ただ一際まばゆく輝いただけなのです。


2017年ブルゾンちえみが大ブレイクしました。

その強い光が放たれたのは元旦の「ぐるナイおもしろ荘」でした。

その光は恐ろしく、35億光年先にも届く眩いものでした。

その光に日本中が目をくらませている中、

負けじと輝こうとした芸人がいたことも、まぎれもない事実でした





2018年、いぬ年がくる。
強い光を放ちます。



告知
■12/31(日)25:00~
「千原ジュニアのキング・オブ・ディベート 元旦5時間SP」Abema News チャンネル
■1/1(月)5:50~
「新春スッキリ2018 ZIP!と初夢コラボSP」
日本テレビ 
■1/7(日)21:54~
「にちようチャップリン」テレビ東京