カナダ最大の航空会社エアカナダは2月9日、2月15日の週より成田=バンクーバー線を含む17路線の一時運休と、1500人余りの従業員を一時的に削減すると発表した(削減される路線については、記事の最後に一覧を掲載)。
カナダ政府が最近導入したより厳しい入国時の検疫体制と、この時期の人気路線であるメキシコ・カリブ海諸国への路線の休止が続いているためだと、同航空会社の最大手労組(カナダ公共部門労働組合、Canadian Union of Public Employees – CUPE)のエアカナダ代表ウィズリー・レソスキーさんは、その理由を説明している。
削減される従業員1500人のほか、経営陣の何人かも削減対象となるという。レソスキーさんは、新型コロナウイルスの変異株の拡大を阻止するために、より強力な措置が導入されることに賛成はするが、措置には解決策も盛り込まれる必要があるとコメントしている。
アルバータ州カルガリーの航空評論家リック・エリクソンさんによると、今回の決定はエアカナダの航空事業部門にさらなる厳しい状況をもたらすと指摘している。新型コロナウイルスの感染が始まる前には約4万人だった社員数は、今回の従業員削減後には半分の約2万人となる。また第2位の航空会社ウエストジェットの場合は、コロナ禍前の1万4000人の社員が現在は約3500人まで削減されており、さらに厳しい状況がうかがえる。
また今回発表された運休路線には、カナダ政府が行っている旅行規制の対象地域(米国や、中米路線)以外の路線も多く含まれている。エアカナダが規制対象地域以外の路線を運休しても、他の海外航空会社が同じ路線を維持していることがほとんどなので、利用者の面からはほとんど影響はない。にもかかわらず今回運休路線を増やしたことは、同航空会社としてはこれ以上打つ手がないほど厳しい状況に追い込まれている証左だと、エリクソンさんは分析している。
2月15日の週より一時運休される路線
-
Toronto to Fort Myers, Fla.
-
Toronto to Boston.
-
Toronto to Washington, D.C. (Reagan)
-
Toronto to Denver
-
Toronto to New York City (LaGuardia)
-
Montreal to Boston.
-
Montreal to LaGuardia.
-
Vancouver to Seattle.
-
Toronto to Bogotá, Colombia.
-
Toronto to Dubai.
-
Toronto to São Paulo, Brazil.
-
Toronto to Hong Kong.
-
Toronto to Tel Aviv, Israel.
-
Montreal to Bogotá, Colombia.
-
Vancouver to London, U.K.
-
Vancouver to Tokyo (Narita).
-
Toronto to Dublin, Ireland.
(文 sora boz)
(参考URL)
https://www.cbc.ca/news/business/air-canada-jobs-1.5906896