『まつり』
この曲、好きだわ〜。すごく好き。

琴の音色みたいなピアノで始まり、
篠笛が、一瞬で日本人のルーツを思い出させる。
と思ったら、
ヒップホップっぽいリズムと言葉遊びで、
なんともいえないグルーヴに巻き込まれていく。
(初めて聴いたときに、ヒップホップ!と
思ったのだけれど、どうですか?違いますか?)

“その閉じた心 今こじ開けな”
“あっけーな” “ラッセーラ”と、
風さんメッセージが、
いつのまにやら、ねぶたの掛け声に変わり、
“まつり” “まつり”と流れる鮮やかさ。

和のベースがありながら、リズムが強くて、
無国籍感、あるいはアジアの多国籍都市を感じる。
MVも、純和風感満載の映像の中に、
色鮮やかで情報過多ぎみ衣装の風さんと
いろいろな国の人が出てきて
みんなで踊って、ボーダレス。

これは1stアルバムでも感じていたのだけれど、
(2ndアルバムが出る前に書きたかったが、
間に合わず…)
風さんの音楽の大事なキーワードは、
“融合”だなあと、改めて。

『まつり』は、
日本的な要素に、洋のリズムを掛け合わせて、
どこにもない世界感を作り上げてるし、
『へでもねーよ』は、
怒りのヒップホップ調から
メロウなメロディに急転換して
聖と俗の世界を一曲の中に成立させている。

実際ご本人も“融合”を意識しているのかなと
思わせるコメントもある。
『関ジャム』にyaffleさんが出演されたときは、
『青春病』のアレンジについて
風さんから
「青臭さと洗練の融合」を要望されたと
語っておられた。

日本武道館でのライブを前に
心境を語ったラジオでは
「これまでの集大成と未来へ向かっての挑戦」
と言っていた。

正反対のものを掛け合わせることで
新しいものが生まれるという
宇宙の法則をご存知なのか。

オーソドックスで
懐かしい聞き慣れた感じのする音の中に
新しさ、面白さが埋め込んであって、
そのキラキラするフックに驚いてワクワクして
何度も聞いてしまう。

1stアルバム「HEHN」と、2ndアルバム「LASA」も
一対だけれど、正反対に感じる。
観念の世界「HEHN」から
俗世に出てきた「LASA」、という感じ。
肉体と色のある世界が広がっていて、カラフル。
人間界も、こんなに色鮮やかで楽しいよ〜って。

しばらくは「LASA」に
かかりっきりになりそうです。




『死ぬのがいいわ』結構好きでして。

正常と狂気を揺れ動く、

あわいが表現されているようで

怖気持ちいい。


私のイメージでは、

色白美女が、「あなたが好きです」と

控えめに座っている。

少しずつ気持ちを告白してくれるのだが、

気がつくと、

口裂け女のような狂気を露わにしていて

男は「ヒィィー」と声を上げて逃げ出そうとする。

美女は、男の形相をみて、我に返り

小さい声で「好き」とつぶやく。

みたいな曲です。


最初は“あなた”と呼んでいるのだけれど

いつのまにか“あんた”と、距離を縮められている。

歌い方も、

最初は軽く脱力した感じなのに、

だんだん力強くなって、

感情が制御できずに露わになっていくように感じる。

“三度の飯よりあんたがいいのよ”のフレーズは、

キーが上がって、繰り返されて、

狂気の絶頂。


武道館ライブや日産スタジアムFree Liveでの

ピアノ弾き語りでは、

前奏のピアノアレンジで、

狂気がより鮮明に表現されているように感じた。

燃え盛る赤い炎のようでもあり、

切ない叫び声のようでもあり、

断ち切れない情念のようでもあり。


ピアノ弾き語りの前奏を聴いて、

やっぱりこの曲のコア部分には、

演歌みたいな、執念や執着があるんだと思った。

江戸時代の話で、

恋人に会いたい一心で放火した

「八百屋お七」を思い出す曲。

あわわわわ。

風さんの2ndアルバムが出る前に、

書き留めておきたいことがまだあるのだけれど、

終わらない。

そうこうしているうちに、

『まつり』が先行配信だと。

待って!!


2ndアルバムについて

勝手にいろいろ予想妄想してまして、

妄想想像空想は、楽しいから書き留めておきたくて。

あくまで、自分自身のお楽しみですので。



一曲目は『きらり』

最後は『旅路』

これは私もそう思ってました!

って、もう正解はあかされているので、

思いっきり後出しジャンケン。あとの“まつり”。


タイトルからして、

1stアルバムと2ndアルバムは

2つで完成する、対になるもの。

1stアルバムが

自分自身への自戒と内省の歌だったのに対し、

2ndアルバムは、1stアルバムより

他者へのメッセージ、伝えたいことが

より鮮明に表れているのではないかな?

自分自身に向かって発してきたメッセージに

たくさんの人が共感してくれることを感じた

2年だったと思う。


2ndアルバムは、

自分が大切に思っていることを

他者に伝えたい、他者と共有したいという

メッセージが強くなるのではないか。


より多くの人と共有するために、

もっとわかりやすく、軽く、明るく、楽しく。


内省に対して、発信。

静に対して、動。

浄化に対して、多幸感。

重厚に対して、軽さ、ゆるさ。

黒に対して、赤。


そんな感じになるんじゃないかなぁ〜〜。


楽しみだなぁ〜〜。