その後…
再び、
彼の施術をうけるため
長年持病をもつ友達を連れて
車でむかった
順番を待っていると
待合室にいた
常連のおばあちゃん達が
「先生の写真あるわよ…アルバム見たら!」と
声をかけてくれた
『先生』…
彼は、その不思議なチカラで
10代から人々の悩み相談や
身体を施術することが口コミで広がり
予約がすぐ取れない
20歳で先生と呼ばれていた
アルバム…
色々な人達と一緒にうつる写真が多く
光沢のある高級感ある白い成人式の袴姿は
普通の20歳ではあまり見ないような
親に特別に大切にされている
そんな印象的が強かった
その中に
ある女性とふたりで並んでる
写真をみつけた…
「この子は先生より年上で
先生のことが好きなのよ」
彼女の片想いだと
親切におばあちゃん達が教えくれた…
14年後…
彼女が彼の奥さんではないかと
おもうことになる…
友達の施術がはじまり
その様子を静かに
そばで見ていた
その時…
なぜか、しきりに
彼が私の顔を何度も見た
なんだろう…?
私はとっさに違う方をみた
あまりに
あからさまだったので
とても驚いた
施術も終わり
席を立っていくと
彼は、私に突然こう言った
「母さんに似てます」と…。
あなたのお母さんに私が似てる…?
どういう事…?
よくわからないまま
その場を後にして
帰ろうとする私を
彼はじっと見ていた…
この日
はじめて、
わたしは彼を意識した