彼から聞いた潜伏先へ向かう。
私が住む町から車で1時間かからないぐらいの所に彼はいた。
携帯がつながらない為、約束の時間に指定された場所で待ち合わせ。
久々に会う彼は心なしか元気がない。
私:「大丈夫?」
彼:「なんかごめんね。」
私:「どういうこと?」
彼:「追われてて、家には当分帰れないんだよね。」
彼はそれ以上詳しいことを語らなかった。
なので、私もそれ以上詳しいことを聞かなかった。
そのまま二人でうどん屋に入り、私がお会計を済ませた。
その足でコンビニに寄り、部屋で飲むビールとタバコを2箱買ってあげた。
そしてこの日私は、彼の潜伏先のビジネスホテルに泊まった。
この夜、ホテルでどんな話をしたのかは何も憶えていない。
翌日、私は仕事があるので早朝にホテルを出る。
私:「じゃぁ、元気でね。」
彼:「ありがとうな。また連絡するわ。」
疾走ではなく逃走していた彼。
理由も分からないし、いつまでそんな生活をするのかも分からない。
本当に次に会える日がくるのかも分からない。
なのに私はなぜか冷静だった。
自分の彼氏が、好きな人が大変な目に合ってるというのに。
どこか他人事な私がいた。
ちなみにこの時に追われていた理由は今でも知らない。
その後も私は彼に聞くことはなかった。
このブログを書いててふと気になったので、同じ部屋でテレビを見ている旦那に聞いてみた。
旦那:「あー、懐かしいね。あれねぇ、なんだったっけ?」
予想通りの答え。
たぶんあの時聞いていても、うやむやに答えられたに違いない。
旦那はそんな人。
なにが本当でなにがウソなのかいまだに分からないことも多々ある。
きっと私はこの時からすでにこの性格を見抜いていたんだろう。
だから逃走する彼を放っておけたんだろう。
密会後はまたしても1週間ぐらい彼から連絡がなかった。
さすがに友達からも心配されたが、仲良しの子には
「手を出した女が組長の女で追われてるんだと思う。」なんて
冗談言いながら笑ってた。
友達はドン引きして笑ってなかったけど。。。
そしてまた公衆電話から着信。
逃走中の彼からだ。
私:「もしもし。」
彼:「俺。元気?はな、会いたい。」
私:「今どこ?」
彼:「あれから移動して、違う町にいる。」
私:「どこかで待ち合わせする?」
彼:「はな、もうすぐ帰れるから。この生活ももう終わるから。」
感のいい私は彼がなぜ私に連絡をしてきたのか、
彼が何を望んでいるのかすぐにピンときた。
金だ。
逃走資金が尽きたに違いない。
そして2度目の密会の約束をする。
続く・・・。