現地、東京競馬場でデビュー戦をこの眼で見た時から能力があることはわかっていましたが、

あのキツい目つきが示す通りの気性が悪手となり、直線で若さが出たり、道中制御不能になったり。と言ったレースが続き、着順も奮わず。

そんな馬が道中溜めが効くようになって、鮮やかな差し切り勝ちで初勝利を決めてくれるまでになるとは出資者の立場ながら驚いています。

この馬を信じ続けてくれた陣営、そして出資者の方々にとっても霧が晴れる快勝劇でしたね。


日付で言えば7/9ですからもう1週間以上も前の話ですかね。

7/9 函館4R 3歳未勝利・芝1200mにて出資馬ランドオブラヴが初勝利を飾ってくれました!


この時期の勝利はまさに官軍。本当に嬉しいものです。こーいう嬉しい事は鮮度が1番ですから、もっと早く記事を出したかったのですが、、、笑

そこはなんせ投稿主が気まぐれですからご勘弁を。

※本当に多忙なので許してください。笑

遅ればせながらではありますが、その嬉しい初勝利を振り返っていきましょう!


冒頭にも書いた通りですが、ランドオブラヴの1番のウィークポイントはやはり気性面でしょう。

それを象徴していたのが2戦目。

この気性が悪手となり、道中抑えが効かずに暴走気味の走りになり、言わば一息で走り切ってしまい、直線で終いを伸ばすことが出来ず。

結果的には自滅するような形でのタイムオーバー負けとなってしまいました。

この気性面の改善、及び成長がランドオブラヴが競走馬として先に進むためには不可欠でしたが、前走、そして鮮やかに初勝利を決めた今回はレースぶりからも気性面に大きな成長が窺えました


その大きな後押しとなったはまず函館での滞在競馬

陣営からも函館に移動してからは「落ち着きがあって雰囲気が良い」とコメントがあったように函館の環境や気候は水が合っていたようですし、気性面が課題な上に小柄で馬体が減りやすいランドオブラヴにとって輸送が無く競馬へと臨むことができたのは大きなプラス

陣営も新馬戦からの3走は気性面を考慮して、間隔を空けてのローテを選択してきましたが、今回は中2週。と初めて間隔の詰まった中での競馬でした。

初の中2週に加え、気性面に不安のある馬。となると間隔を詰めた事で却って気が入りすぎたり。などと中2週のローテがマイナスに働く可能性もあった中でこの結果ですし、舞台を函館に移してからの前走、そして今回。とこれまでとは別馬か?と思う程に競馬ぶりが成長していますからね。

滞在競馬がこの馬にとってどれだけプラスだったかを物語っているかと思います。


次に前々走(3/18 3歳未勝利 ダート1200m出走時)の内容も意味のあるものでしたね。

結果を言えば好位でレースを進めながらも前残りの展開で8着。と正直、褒められるものではありませんでした。

ただ、冒頭に書いた通りでその前のレース(2戦目)では折り合いを欠き、自滅するような形でのタイムオーバー負けだった事を思えば手綱を取った横山武史Jが道中しっかり馬の後ろで折り合いを付けて、直線も後続に交わされてはしまったものの最後まで追い続けて競馬を辞めさせなかった。という点は非常に大きかったと思います。

着順、そして結果だけで言えば正直、物足りないものではありましたが、前々走で我慢の競馬ができたからこそ前走、今回。と道中溜めが利いて直線で末脚を伸ばす事にも繋がった。と言えるでしょう。


そして何より。前走、そして今回の内容を語る上で欠かせないのはやはり前走から手綱を取った佐々木大輔騎手(以下、佐々木J)のエスコート

大元の話として彼は減量騎手ですから、こと勝ち上がりに関して言えば減量騎手起用という面も勿論大きかったですが、それ以上に、彼の手綱捌き無しにランドオブラヴの勝ち上がりは無かったと言っても過言ではないでしょう。

振り返れば2着だった前走も直線で、

↑の通り、内ラチ沿いの馬1頭分あるか、どうかというギリギリのスペースに突っ込んで行く好判断

結果的にこの騎乗で彼は制裁を受け過怠金を払うことにはなってしまいましたが、見ている自分としてはよくあの狭いスペースに突っ込んで来てくれたなぁと感心するばかりでした。


更に、彼の好判断が光ったのは今回の直線

直線追い出しを開始してからは、

↑のように進路が塞がれ気味になり、普通ならここで前を行く4番マルメラーダの外に出すところ。


ただ彼はここで慌てずに、一瞬追い出しを待ち、そこで前を行く12番メジャーテソーロと4番マルメラーダの間に出来た僅かなスペースに突っ込んで行きましたね。

勿論前走、騎乗した際にランドオブラヴの馬の間や狭い所にも怯まないという特性を理解してくれていたからこその騎乗でもあったと思いますが、大外から末脚を伸ばし2着だったソニックライトの脚色もかなり良かったですし、進路が狭くなった際に外に出していたらソニックライトに僅かに遅れをとっていたかもしれません。


正直、今回は佐々木Jさまさまですね。笑

ここ2戦の騎乗ぶりを見てもランドオブラヴと彼の手が合っているのは見ての通りですし、これから彼が勝ち鞍を重ねていき減量が外れてからも続けて乗ってもらいたいですね。


またこの初勝利に至るまでに、馬装を前々走からはクロス鼻革に変更、そして前走からはクロス鼻革に加えメンコも着用。と馬具を工夫したり、

調教面でも競馬に向けて時計を出す際は単走にしたり、併せ馬でも馬体を併せることなく馬の後ろで我慢させる隊列調教のような形を取ったりと陣営の試行錯誤がここに来て実を結んだ形でもあります。


また前走後は中1週での出走も検討されていた中で、中2週での出走に切り替えた陣営の判断もドンピシャでしたね。

上手くいく時は今回のように全てが良い方向に働くものではありますが、今回の初勝利は馬自身の気性的成長が著しいタイミングに鞍上の好騎乗、そして陣営の好判断と言うことなしだったと思います。


さて、嬉しい初勝利の要因となったであろう点をざっと振り返ってみましたが、今回で課題が全てクリアされたわけではなくランドオブラヴ自身、まだまだ改善すべき点、及び成長の余地を残しているように思います。

まずは今回は函館での滞在競馬により気性面の不安が緩和されていた点。この滞在競馬というのが大きな前提条件としてありましたから、次走はおそらく札幌にはなりそうですから、また滞在競馬で競馬には臨めるかと思います。

ただ夏競馬が終わり、本州での競馬になった時にこの馬の気性面が課題となる可能性は残っている。と言った方が正しいかもしれません。


また新馬戦で直線外に大きく寄れる面があったり、3戦目で直線鞍上のステッキが入ると寄れる面があった点。

これはあくまで私の主観ですが、

前走は内ラチピッタリに進路を取ることができ、ラチを頼りながら走る事ができましたし、

今回は馬の間に進路を取る事ができ、言わばモタれようがなかった形。

というように現状、ランドオブラヴは直線で外に出して1頭になるよりは、ラチ沿いでラチを頼りながら走る。もしくは馬群に突っ込んで行っても怯まない気性を生かして馬の間に進路を取るのが好走パターン。と考えています。


逆に今後、直線大外に出された時や馬群から抜け出して1頭になった時に外に寄れたり、内に持たれたり。と言った可能性はあると思うので、外枠を引いて道中馬群での競馬が叶わなかった際など今後のレースぶりの中でまた見ていきたい点ではありますし、私自身も一出資者としてこの馬の成長曲線を見守っていきたいと思います!


そうそう。先程、次走は札幌になりそうという事を書いた通りで、あれだけ鮮やかに初勝利を決めてくれたわけですから気になるのは次走ですよね。

レース後には陣営から連闘策も検討するコメントが出ていましたが、天気予報や馬体面の疲労を考慮して一旦、ファンタストクラブへ放牧となりました。

あくまで自分の意見としては放牧で良かったと思います。

蛯名調教師も口にしていましたが、今回の勝ち時計1.08.8は同日の同条件の1勝クラスの勝ち時計よりも速い優秀なものでしたから、滞在競馬の利を生かして連闘で昇級戦へ。という考えが頭に浮かぶのは納得のいくところ。

ただ馬体重が増えにくく、減りやすいこの馬にとって無理使いは禁物ですし、結果論ですが昨日、そして今日の函館開催は悪天候により馬場状態も悪く、この馬が好走できたか?と聞かれると前向きにはなれません。

それも踏まえればここで一息入れるのは決してマイナスではなく、1つ勝てたからこそ余裕を持ってローテを組めるという面もありますからね。

ランドオブラヴには一先ず英気を養ってもらって、次走が予定されている2回札幌開催で強い姿を見せてもらいたいですね。

重複してしまいますが、今回の勝ち時計は同日の同条件の1勝クラスの勝ち時計よりも速いもので、

更に第2回函館開催における3歳戦の芝1200mにおいても最も速い出色の時計

ただ、減量騎手起用であったり、2着馬も1.08.8の走破時計であるようにこの馬のみが頭一つも二つも抜けていたというのはこの時計からは断言できないのが客観的な評価。

とはいえ今回は佐々木Jもノーステッキでしたし、私自身も上のクラスで充分良い勝負ができると思っています。

強い競馬だったからこそ、早く次走が見たい。という気持ちもありますが、その楽しみは次に取っておきましょう。


長くなって来ましたし、そろそろ終わりにしましょうか。
色々と書いて来ましたが、
この馬の1番の長所はやはり馬群に突っ込んで行っても怯まない気性だと思います。
逆にその勝気な気性が悪さして2戦目のようなことに、、、なんてこともあるようにこの気性はまさに諸刃の剣。
その気性面が成長してくれば、課題の馬体重が減りやすいという面も改善されてくるでしょうし、まだまだ成長の余地を残している段階。
今回の内容を見ても能力がある事は改めてわかりましたからね。
その“小さな体に秘めた大きな可能性”に期待するばかりです!

では、また。

※当記事で使用しているお写真は広尾サラブレッドクラブより許可を得て使用しています。