前走の内容からもここでも充分通用すると手応えは感じていましたが、終わってみれば期待以上に強い内容で昇級初戦を最高の形で飾ってくれました。
更に今回は口取りに当選していたこともあり、一口馬主生活では初の口取りにも参加させて頂き、喜びはまさに倍以上のものでした。
日付で言えば丁度1週間前の話ですね。
9/23 中山4R 3歳上1勝クラス芝1200mにて出資馬ランドオブラヴが2勝目を上げてくれました!
口取りの場では先に関係者のみの口取りを終えた倶楽部サイドの方が「おめでとうございます!強かったですね!」と私含め会員の方に声を掛けて下さいました。
前走の勝ち時計は当日の1勝クラスよりも速いものでしたし、時計だけで言えば昇級しても通用する下地があったのは確かですが、終わって見ればクラブの方の言葉通り強い勝ち方でしたよね。
さて、折角ですし、色々と回顧していこうと思いますが、ザッと競馬の内容を振り返れば、
スタートは出遅れ気味だったものの二の脚が早く直ぐに中団に取り付くと、道中は前に壁を作りながらの競馬。
直線を迎えてからは馬1頭分のスペースを割って進路を確保すると、最後はきっちり前を捉えて快勝。
とまさに前走の再現かのような内容でした。
函館での2戦、そして今回もそうでしたが、馬1頭分あるか?というスペースでも物怖じせずにこじ開ける根性はこの馬の1番の長所ですし、
鞍上の佐々木大輔騎手(以下、佐々木J)もこの馬の事を完全に手の内にいれていますよね。
今回も直線ラスト200m手前で前を行く2頭の間が狭くなる場面がありましたが、迷わず2頭の真ん中に突っ込んでいきましたからね。
最後は脚色が違ったとは言え、2着馬との差は時計差無しですし、もし安全策で外に出していたら着順は変わっていたかもしれません。
結果的に前々走、そして今回と佐々木Jは制裁を受けてしまっていますが、ランドオブラヴのここ3走の好走は彼の好騎乗かつ好判断あってこそのものと言えますし、出資者としては今後も続けて乗ってもらいたいなと思うばかりです。
先程書いた通りで競馬の内容としては前走の再現とも言えるような内容でしたが、前走と異なる点かつ今回の競馬において高く評価できる点がいくつかありますね。
まずは冒頭にも書いた通りで馬場状態と急坂コース。
レース前に雨は止んでいたもののレース前日、そして当日朝までは雨が降り続き、馬場状態も重馬場の発表でした。
体が小さい上に前走のように直線の切れ味で勝負するランドオブラヴにとって重馬場は歓迎ではなかったはず。
更に今回の舞台設定は中山ですから、前走の函館とは違い直線に急坂が待ち受けています。
前走の良馬場+平坦コースという条件から今回は重馬場+急坂コースと同じ右回りの芝1200mの中でも異なる条件下での競馬ですから、この面に関しては今回レースを迎えるにあたって気になるところではありましたね。
ただ終わってみればその不安も杞憂に終わるもので、前を一気に捉えた直線の切れ味は贔屓目とは言え大したものでした。
そして今回の勝ちっぷりは時計や着差以上に評価できるものだったと言えるでしょう。
勝ち時計の1.09.4を見るとランドオブラヴ自身としても持ち時計よりも時計が遅い上に、当日に行われた2歳戦(カンナS・2歳オープン)よりも遅く、時計だけで言えばそこまで高いパフォーマンスではないのか?という事になってしまいます。
ただレースの前半600mの時計を見ると、
こちらが34.3だったのに対し、カンナSは33.3とテンの3Fが1秒も遅かったことがわかります。
当たり前の話ですが、後ろから競馬をする馬は自分では時計は作れませんから、逃げ馬の刻んだペースによって時計が前後するのは仕方ないところ。
更に今回のレースで言えばテンの3Fが遅くなったことによって結果として前に有利な展開になりましたね。
逃げたアクアマリンブルー、そして道中2番手でレースを進めたラナキラがそれぞれ2.3着と上位を独占している点を見ても前残りの展開であったことがわかりますし、中山競馬場は今開催からCコース替わりで先行馬有利の馬場状態で今回のレースは展開、そして馬場状態も相まって前有利は顕著。
ランドオブラヴも道中は6.7番手とそこまで絶望的な位置取りではなかったとは言え、この展開をきっちり差し切ったわけですし、今回は重馬場の馬場状態、そして展開面を考慮しても今回は贔屓目抜きに着差以上に完勝と言って良いでしょう。
また競馬の内容も良かったですが、この馬の1番の課題である気性面も成長が伺えるものでした。
函館での2走は滞在競馬だったこともあり、輸送が無くレースを迎える事が出来ましたが、
今回は中山での競馬ですから長距離輸送ではないとは言えレース前に輸送がある形ですし、テンションや馬体重含め気になる点ではありました。
私は当日、現地観戦だったのでその点なども踏まえてパドックは気にして見ていましたが、周回そのものは物凄く落ち着いていたと思います。
※新馬戦のパドックも現地で見ていますが、その時と比べれば馬自身は大人になっているのが見て取れます。
馬体重は4キロ増の426キロでしたが、これは2走前に戻った形で目方が大きく増えたわけではないですが、好走時に戻ったと捉えれば現状はこのくらいでも良いのかもしれませんね。
またパドック終盤から返し馬にかけては陣営の手腕も垣間見えましたね。
パドックにて鞍上の騎乗命令が掛かり、出走各馬に騎手が跨り、返し馬へと向かうタイミングで助手の方がランドオブラヴを出走馬の最後尾へ。
そして鞍上の佐々木Jを乗せることなく、グランプリロードへ向かい、グランプリロード途中で佐々木Jを乗せ、本馬場入りしてからもしばらくは助手の方が付き添う形に。
これまでのレースの際も本馬場入場では今回同様に助手の方がギリギリまで付き添う形でしたが、このような些細な点とはいえこれも厩舎力の一つだと思っています。
おそらくですが、中間の調教や最終追い切りでも全て助手の方が騎乗していましたし、今回は滞在競馬でなかった点も踏まえて、ギリギリまで鞍上を乗せずに出来る限り落ち着いた状態でレースへ向かわせる意図があったのだと推測しています。
(このレースの一つ前の3Rに佐々木Jが騎乗していた事もあって跨るタイミングが遅れた可能性はありますが、パドックで最後尾へと誘導した点に関しては何かしらの意図があってのものでしょう。)
馬自身は競馬の内容、そして精神的にも成長しているのは確かですが、太鼓持ちになってもいけないので、彼女が今後、2勝クラスそして更に上のクラスで競馬をする為にも今後クリアしていってもらいたい課題をいくつか上げておきたいと思います。
まずはゲートと折り合い面。
私自身ランドオブラヴに関しては特にこの2つの課題は連動していると考えています。
ここ3走は全て煽り気味にゲートを出る形も二の脚が速く道中は中団で競馬を進める事ができていますが、ゲートで遅れる→出して行く。となるとここで脚を使ってしまいますし、出して行く分、折り合い面にも不安が生じますよね。
更にここ3走は内枠を利して前に壁を作りながら競馬を進める事が出来ていますが、佐々木Jも「前に馬がいないと折り合いが難しい」と口にしているように、外枠を引いて前に壁が作れない形での競馬になった時は今回のように上手くはいかないかもしれません。
次走からは2勝クラスへ昇級となりますが、クラスが上がって道中のペースが上がれば折り合い面は楽になって競馬もしやすくなるはず。
ただそれに比例してテンのスピードも上がるわけですからゲートで出遅れて、位置を取る為になし崩しに脚を使わされてしまっては直線でお釣りが無くなってしまいますし、本末転倒に。
ここ3走で脚質転換に成功し、道中馬群で溜める競馬が板に付いてきたようにレースぶりは大きく成長しているとはいえまだまだ荒削りなのも事実ですし、ここから更に上に行くためにもゲート、道中の折り合い面は改善が必要ですよね。
そして鞍上の斤量面。
前々走、前走、そして今回と鞍上の斤量面での恩恵は少なからずあったはず。
特に今回はランドオブラヴは斤量が53キロと出走馬16頭の中でも1番斤量は軽かったですしね。
体が小さな馬だけに斤量が55、そして56と増えていった際にパフォーマンスを落とす可能性は有りますし、この点は実際にその斤量を背負うに連れてしっかりと対応していってもらいたいですし、それに伴い馬体重ももう少し増えくるといいなと思っています。
また、この点は既に気付いている方も多いかと思いますが、佐々木Jが手綱を取るようになってからのここ3走は直線で一度もステッキが入った事がありません。俗に言うここ3走は全てノーステッキというわけです。
もちろんノーステッキでここ3走と好走しているだけに聞こえは悪くはありませんが、
3/18の3歳未勝利戦。初のダート戦に出走した際は道中こそスムーズに競馬を進め、あとは直線で前を交わすだけ!というタイミングで鞍上の横山武史Jからステッキが入ると外に寄れてしまい、そこからは伸びを欠くといった面が見られました。
ここ3走はステッキが入っていない中でも佐々木Jの追い出しにはしっかり反応して良い切れ味を見せてくれてはいますが、陣営から「スイッチがオンとオフしかなく極端」とコメントされるくらいの馬で、ステッキが無くともエンジンが点火するタイプの馬なのかもしれませんが、今後はステッキに対する反応などは見てみたいところではあります。
今上げたようにまだまだ課題を抱えていて荒削りではありますが「これでもまだ余裕があるくらいで、上のクラスでもやれそうな感じ」と蛯名調教師も高く評価してくれていますし、今回の勝ちっぷりであれば昇級してからも勿論楽しみはあるはずですし、次走が気になりますよね。
そんなランドオブラヴですが、既にジェットレーシングへ放牧に出ています。
更に次走は「暮れの中山をイメージ」とのコメントがありましたが、12月の中山開催で2勝クラスの芝1200mの番組は、、、
12/2 (土) 中山芝1200m 3歳上2勝クラス
12/23 (土) 中山芝1200m キャンドルライト賞
の2本が組まれています。
レース間隔や特別戦では減量騎手の減量が対象外な点を踏まえても次走は前者になるかなと想定していますが、あくまで馬本位で進めていってもらいたいと思っています。
レース後も大きな反動は無さそうとの事ですし、続戦しようと思えば決して不可能ではないでしょう。
その中で今回もレース後には放牧に出され、陣営が間隔を空けながらのローテを組んでいる点を見ても、馬体重が増えにくい点や気性面などまだ弱い面があるのを踏まえての選択もあってのことでしょう。
出資者としては前走、そして今回と強い勝ち方をしているだけに早く次の競馬が見たい気持ちが先走ってしまいますが、大事に大事に使っていけば常にフレッシュな状態で出走する事が叶いますし、折り合い面も少しずつ進歩が見られるはず。
12月まで少し時間はありますが、『果報は寝て待て』ということわざもありますし楽しみは先に取っておきましょう。
長くなって来たのでそろそろ終わりにしましょうか。
冒頭にも書いた通り、今回は有難いことに口取りにも参加させていただき、私にとって思い出深い勝利となりました。
※馬券も単勝と3連複でがっつり儲けさせて頂きウキウキでした笑
口取りの際にご一緒になった出資者の方とは、
「来週、同じ中山の1200mで良い番組(スプリンターズS)がありますから、来年はこの馬でそこに行きたいですね!」と興奮気味にお話ししたのを覚えていますが、本当にそうなって欲しいですよね。
ちょっと夢見過ぎですかね?笑
いや、ラッパを吹く訳では無く2勝クラスまでは昇級の壁無く突破してくれると思っているんですよ。
ランドオブラヴ、これからが本当に楽しみです。
ではまた。今回はありがとうございました!
※当記事で使用しているお写真は広尾サラブレッドクラブより許可を得て使用しています。