「子供の心のコーチング」という本を読んでみました。

”親の心子知らず”という言葉がありますが、
子供が本当に何を考えているかなんて、わかっている自信はありません。

親の方こそ、自分の価値観で子供を見てしまってはいけないですね。

さて、この本にはたくさんの重要なメッセージが書かれています。

◆子供にしてあげているのは、「ヘルプ」ですか?「サポート」ですか?
「ヘルプ」とは
   手取り足取りやってあげること。
「サポート」とは
   できるように助けてあげること。

 子供が”出来ない”と決めつけて、ついつい「ヘルプ」してしまうことって
 ないでしょうか?
 それによって、子供は「どうやったらそれが出来るようになるのか」
 考える機会、試す機会を失ってしまう事になるというのです。

 子供が何かをしようとする前に、悩む前に既に誰かが、やってくれてしまう。

◆何のために子供は「それ」をするか?
 子供が出来た事、した事を「すごいね~」、「えらいね~」とほめる事は
 普通ですよね。
 しかし、それが当たり前になってくると、”本当にそれが必要か”どうかではなく、
 褒められるために行動をするようになる。
 つまり、人の顔色を見て、”褒められる事によって自分の存在価値を見いだす”事
 しか出来なくなってくる。

 たとえば、”床に落ちたゴミを拾う”ということも、先生が見ている前でしか
 行わないなど。

 ではどうするか?
 自分が子供の行動に対してどう感じたかを素直に伝える事だという。
 「ありがとう、お父さん助かったよ」

 何かをしたときに、ご褒美を与えたり、お金を与えるのも良くないのだそうだ。
 素直に「自分がした事が人の役に立った」と実感させる事が大事です。

 
◆子供に自主性を持たせる
 子供自身の事に出来るだけ手を貸さず、自分で解決できるようにする。 
 朝起きれないから起こしてあげると、遅刻したときに、
 「お母さんが起こしてくれなかったからだ。お母さんのせいだ!」
 と本当の原因である「自分で起きなかった」がうやむやになり、責任転嫁するように
 なってしまうと警告しています。

◆一貫性を持って接しているか?
 子供に対して「これはやってはいけない」という事を親がやっていませんか?
 または「こうしなさい」という事が親が出来ていなかったり。

 子供に「片付けなさい」と言いつつ、家中散らかっていたりすると、
 子供はどう思うでしょうか?
 「なんだよ、自分だって出来ていないくせに...」
 文句を言う子供に対して、
 「お母さんは、いいの」なんていう訳の分からない回答をしてしまうと
 親の信頼は一気に低下してしまいますよね。

◆その叱り方、自分が言われたら納得できますか?
 「いい加減にしなさい。だめね」
 「うるさいな。あっちへ言って遊んでいなさい」
 自分が、会社で上司にそんな事を言われたらどう感じるだろうか?

 この言葉の中には「あなた」という言葉が隠されている。
 「(あなたは)いい加減にしなさい。(あなたは)だめね」
 「(あなたは)うるさいな。(あなたは)あっちへ言って遊んでいなさい」
 
 「あなたメッセージ」は、子供を責める
   つまり、言えば言うほど逆効果。
   やる気なくしますよね。

 「私メッセージ」は、親の気持ちを伝える

 「お母さん疲れるわ・・。あなたにも協力してほしいのよ」 
 「お父さん困る。騒がれるとお客さんとの話ができないんだ。」
 
 自分が責められているという訳ではなく、協力してほしい、手伝ってほしい
 というメッセージになります。

この本を読んで、多くを学びました。
理解はしたけど、実践するのはなかなか難しい。
とっさのときには、ついつい怒鳴ってしまう自分がいます。

子供と一緒に成長していきたいと思います。

ところで、「ヘルプ」と「サポート」は大きな問題をはらんでいると思いました。
「ヘルプ」になれている子供は、自分で問題を解決する力、自分で考える事が出来ません。
自分の身の回りの問題は誰かが片付けてくれます。
悩む事はないのです。

でも、そんな子もいつかは親から離れていくのです。
その子は問題に直面したとき、どうやって解決するのでしょう?
最近の多くの事件はこんなところに結びついているような気がするのは私だけでしょうか。


  
子どもの心のコーチング

¥1,300
株式会社 ビーケーワン