復職し、私もいよいよ30歳。
治療が始まり6年あまりが経過した。
ずっとそばで支えてくれた方(今の旦那さん)結婚することになり、治療がいつまで続くのか気になり始めた。
先生にいつまで治療は続くのか、これから私はどうなるのかを聞いてみた。
主治医は長かったもんね、そろそろ疲れてくるよねといった。
そうではないよ先生ここまで生きてることは想像できない20代を送ってきたし、これから私は結婚を考えていて、子供だってほしいと思ってるんです
でも子供がほしいと言ってすぐできるわけではないし、そのときの治療はどうなるのですか?ホルモン治療も続くのですか?飲みながら妊娠できますか?細かい話を納得行くまでお話した。
妊娠希望となると、ホルモン治療をやめなければならない。出来ればやめて自然に妊娠し生理が止まったほうが体に負担はない。治療を中断する=再発の可能性だって考えられる。
そういうことだった。
いちかばちかということか。。
もし運良くすぐに妊娠ができたとしてもお腹にいる時期に再発したらお腹の中の赤ちゃんはどうなるのか…。
私は産む前に死んでしまうのだろうか。
またもや、目下のことばかりが頭を埋め尽くした。
あんなに欲しかった赤ちゃん。
やはり再発という言葉が怖い。
数ヶ月に一度の定期的な大きな検査の結果待ちの時間は、何年経っても怖い。
何年経とうが死ぬかもしれない結果を待つのは怖い。
一人ならまだしも。。お腹に赤ちゃんがいた場合。。
私が死んだらどうするんだ。
きっと難しい顔をしていたのかもしれない。
そんな私に主治医はいった。
今でも心にずっしりと残っている印象的な言葉だ。
「リスクはつきものだよ。でも、そんなこと言ったって、妊娠出産はいつでも誰でも命がけですよね。相当の決意が必要なのは病気でも病気でなくても同じなのかなと、私は思います」
先生の言葉によって一瞬で切り替わった。
そうだよ、そうだったよ。
いつだって命がけだったんだった。
それにかわりはない。
主治医のその言葉で背中を押された。
そのために頑張ってきたじゃないか。
諦めるな、怖がるな、信じて進め、私!!
私の選んだ選択肢。
それは
一時、治療を中断し、赤ちゃんを迎え入れることだった。
妊娠する前も毎月ソワソワしながら通院した。
再発してない?どこかわるいところない?
ドキドキしながらも赤ちゃんは奇跡的に私のもとにやってきた。
そのときの嬉しさと言ったら。。
今でも覚えている。
どうか無事に育ってくれ、流れないでくれ。
大きくなってくれ、五体満足に。
元気に。
欲は果てしない
どこまでも続く祈りよ。
神様もきっと思ったはず。
この子は欲深すぎると…
念願の夢を叶えてもらい、いよいよ臨月に入った。
あともう少しだ、もう生まれても大丈夫だ、カウントする毎日。
もしここで再発しても赤ちゃんも取り出して治療にうつることもできる、よくここまで育ってくれたなという思いでいっぱいだった。
夢だった我が子。
初めてのお産ということもあり、(今考えても本陣痛じゃないかなと思うけど)陣痛が不定期にやってきて3日目、デパートで大量出血しようやく待望の赤ちゃんが誕生したのでした
ものすごく細長い赤ちゃん。
思っていた赤ちゃんとは違う。
小さくて両手におさまると思っていた赤ちゃんは…
かなりの高身長でヒョロヒョロしていた。
こんなに自分に似てない赤ちゃんは初めて見た←当たり前か初めてのお産なんだもん。
勝手に自分の赤ちゃんはとても太っているのかと思っていたんだよ。
やっとで会えた我が子。
それはそれは感激。
こんな幸せがあっていいのかと、後でバチが当たらないかと思うほどに嬉しくて幸せな出来事だった
あれから6年あまり。
3人の我が子に囲まれ、にぎやかに過ごせている