「あまくない砂糖の話」 | Happy ヴィーガン&ナチュラルライフ〜インド駐在からのシンガポール駐在編〜

Happy ヴィーガン&ナチュラルライフ〜インド駐在からのシンガポール駐在編〜

アレルギー体質の克服のため、菜食という生き方に出会って10年以上。2013年から4年余り南インドで駐在生活を送った後、2018年からシンガポールへ…希少な日本人ヴィーガンとして海外駐在生活を送りながら、心地良く幸せなヴィーガンライフを探究する日々を綴ります♪

一時帰国前から気になっていたドキュメンタリー映画、観に行って参りました!
オーストラリアで、自国製のドキュメンタリーとして史上最高の動員数を記録し、大きなニュースになったという作品。

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俳優で映画監督のデイモン・ガモーは、第1子を授かったことをきっかけに、「砂糖」と「健康」についての確かな答えが欲しいと考えました。
しかし、現実には様々な見解が対立しており、そんな中最終的に信用できるのは自らの経験だけだと考え、無謀とも言える実験に乗り出し、初の長編映画を撮ったのです。
以下、公式サイトに掲載されている監督のメッセージです。

「私はこの映画の中で、オーストラリアの成人が1日に摂取している量と同じ、ティースプーン40杯分の砂糖を60日間欠かさず摂取しました。しかも清涼飲料水、アイスクリーム、チョコレートなどの菓子類を避け、多くの人が砂糖は入っていないと信じヘルシーだと宣伝されている食品だけを食べたのです。低脂肪ヨーグルト、穀物バー、シリアル、フルーツジュース、スポーツドリンク、スムージーなど、ヘルシーに見えるこれらの食べ物には、実は大量の砂糖が隠されています。これらの食品を摂取しながら、私の体調を医師と科学者からなるチームにモニターしてもらいました。

これは、人々に砂糖を摂るのをやめさせようとする映画ではありません。今や加工食品の80パーセント前後に含まれている”砂糖”という成分について、考えるキッカケを与えるための映画です。

砂糖と果糖の危険性が囁かれはじめた今、啓発活動とエンターテインメントとが融合したこの映画は、大人だけでなく子供たちの将来を、よりよいものにするために欠かせない情報です。どんな結果になるのか分からないままに、私はこの冒険に旅立ちました。学んだことの中には非常に恐ろしい事実もあり、それは私だけでなく、私の子供の人生をも変えました。この作品が、あなたの人生を変える手助けとなることを願っています。

『砂糖は悪ではないが、
砂糖が少ないほうが人生ははるかによくなる』
―キャスリーン・デメゾン」

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ガモーは、医師や栄養士などの管理の元、摂取カロリーは変えず、実験前から続けている運動もそのまま継続。
変わったのは食生活だけ、しかもジャンクフードは避け、一般的には「ヘルシー」と思われている食品ばかりを口にしていたのに、実験開始12日目で既に3.2キロも体重が増加。
1カ月後には体重5キロ超、腹囲は7センチ増加。
脂肪肝、躁鬱病のような症状も見せ始め、身体が重くだるく、頭がぼーっとして集中力がなくなる等、心身に異変が起こり始めます。

「低脂肪」「低脂質」を謳った商品には、実際には砂糖が通常の2倍含まれている場合もあるのに、何故それが一般に知られておらず、さらには、「ヘルシー」とまで思われているのか?
何故、食事をカロリーだけで判断し、「低カロリー=ヘルシー」という論理がまかり通るようになったのか?

その裏には、
・中毒性を起こす甘味料の最適値を実験で調べ上げ、それを現実の商品に適用する
・事実を隠蔽するため、研究者に資金提供し、自らに有利な研究結果を発表させ、また広告会社に莫大なお金を払い、宣伝活動をする
・政治と癒着して利権を守るよう画策する
等、巨大食品企業の陰謀があることも明らかにされます。

こうした現実を知ると、現代人を肥満や病気に陥れているのは、企業の強欲さなのかもしれない…とガモー監督は語っています。

「中毒性を起こす甘味料の最適値」は、「至福点」と呼ばれるそうです。
ラットを使った実験によると、なんとコカインより砂糖の方に強い執着を示したとのこと。
それ程までに強い中毒性を持つのは何故かというと、砂糖を摂った時、脳内では「愛を感じた時」と同じ反応が起きるからなのだそうです。

「糖分」と一口に言っても、実は、ショ糖、ブドウ糖、果糖…と種類も様々。
この内、映画の中で特に問題視されているのは、「果糖」又は「異性化糖」(別名「ぶどう糖果糖液糖」「果糖ぶどう糖液糖」)と言われるもの。
清涼飲料水や加工食品に大量に含まれている糖分で、日本人が発明したと言われています。
このため、日本人が世界中を太らせたと言っても過言ではない、との見方も…

この異性化糖、アメリカでは健康被害に対する認識も次第に高まり、使用禁止運動も出始めているようですが、日本ではその危険性が知られないまま、むしろ消費量は増えているようです。

日本人の平均砂糖摂取量は、ティースプーン20杯/1日だそうで、オーストラリアの半分とは言え、WHOのガイドラインの推奨値「6杯」の実に4倍以上。
便利なコンビニやスーパー、ファーストフード店が身近に溢れ、加工食品への依存度が高まるに連れ、いつの間にか砂糖大量消費国になっているのが現実です。

エンディングには、「日々の食生活を通じて、加工食品を減らし、砂糖の甘味がなくても、子供たちが新鮮な野菜や果物そのものの甘味や美味しさを感じられるように導くのが大人の務めではないか?」というメッセージも。

また、「食品と砂糖と精神状態には深い関係性がある。」と言われていましたが、それは私自身も体感・実感してきた真実です。
10年余り前に菜食・自然食に出会って以来、砂糖や加工食品とはサヨナラし、普段のお料理にも、砂糖はもちろん、それに替わる甘味料も一切使わなくなりました。
素材そのものの味を大切にするお料理はとても幸せなものですし、お蔭で、慢性的な怠さや眠気から解放され、心身共にはるかに穏やかに過すことが出来るようになりました。
勿論それは「菜食」とも深い関わりがあるのですが、砂糖とサヨナラしたことで、血糖値の急上昇&急降下に伴う「心身のジェットコースター」から解放されたことも相当大きいと感じています。

知っているようで知らない「糖」について改めて学びたい!と関心が沸々と湧き上がると共に、食育の必要性・重要性を痛感させられたドキュメンタリー映画でした。
思っていたより観客も入っていて、一部とは言え、日本でもこの問題に対する関心が少しずつ高まりつつあるのを感じました。
体を張って問題を提起し、大切なメッセージを伝えてくれたガモー監督に感謝です。

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天然甘味料でも要注意!米国で使用制限広がる「異性化糖(果糖ぶどう糖液糖)」があふれる日本 
http://diamond.jp/articles/-/42181