彼女のことだから
もしかしたら
ウィーンにいるかもしれない。
馬車がとても似合う美しい街、ウィーン
ふと、そう思って
K子ちゃんに連絡をしたのは
渡航規制が少しゆるやかになった
昨年の9月のこと。
案の定、K子ちゃんは
晩夏のウィーンを
まさに満喫している最中で
ちょうど私も
そこからそれほど遠くない
ヨーロッパに来てると伝えると
ぜひとも都合を合わせて
ウィーンで会おう
ということになった。
K子ちゃんとは
以前から面識はあったけれど
お互いが「旅好き」
ということを
長いこと知らずにいた。
表現が難しいけれど
前々からK子ちゃんのどこか
優雅な佇まいとか
彼女がほのかに放つ
どこか西洋のお姫様のような
「におい」が気になって
ある時、思いきって
たずねてみたところ
K子ちゃんは少し
びっくりした様子で
その「におい」らしき成分を
これかな〜と笑いながら
解明してくれたw
彼女の話によると、
子供の頃に
たまたま出会った
ハプスブルグ王朝の
エリザベート妃の
物語に心奪われて
それ以来、その華麗で
はかないエリザベートの人生や
ハプスブルク家にまつわる
物語のとりこになり
学生時代は
アイドルよりも
とにかく
エリザベートに夢中^_^
次第に、K子ちゃんは
実際にその世界を
体感したくなって
社会人になってから
エリザベートゆかりの地を
旅しはじめ、
今では
エリザベート探求の旅が
人生の一部となり
特にウィーンが
大のお気に入りなのだそう。
普段は見せない
少女のような顔をして話す
K子ちゃんのエピソードに
なんだか彼女の
大切しまっていた宝物に
そっと触れたようで
私のハートがプルっと震えた。
自分の「好き」に
まっすぐで
ピュアなK子ちゃんを
素敵だなと思ったし、
彼女の気品あふれる
「におい」の
正体はきっと
愛してやまない
エリザベートや美しきウィーンの
「移り香」なのだなと、
フムフムとひとり納得した^_^
そんな彼女の旅の景色は
いったいどんなものだろうと
ずっと気になっていたので
今回のシンクロとチャンスに
心底ワクワクした^_^
お互いの都合で
私のウィーン滞在時間は
およそ5時間 ^_^;
待ち合わせ場所で
再会した私とK子ちゃんは
いつもとは違う環境下で
会う不思議な感覚に
わけもなく笑ってしまったw
いざ、向かったのは
ウィーンの中心地に
守り神のように鎮座している
シュテファン寺院。
地下鉄U1,U3のStephansplatz
(シュテファンプラッツ駅)の
エスカレーターをあがると
シュテファン寺院が目の前に
ドンと飛び込んできます。
写真に納まりきらないほどの奥行と高さで、
かなり遠くからしゃがんで撮影w
塔には時節柄、ウクライナカラーで
大々的な反戦の文字が目立っていました。
奇遇にも、お互いが
旅はじめに同じゲンカツギを
していると知りびっくりした。
それは、
その土地に無事に
たどり着けたことへの感謝と
しばしこちらで
お世話になりますねと
ご挨拶の意味も込めて
その土地の
うじ神様的な場所に
最初にお参りすること^_^
あくまでも
個人的な感想なのだけれど
これをやってると
その土地に
応援されているみたいに
不思議とものごとが
スムーズに流れていくような
気がする^_^
K子ちゃんも
ウィーンに来たら毎度
感謝参りしてるのだとか。
さて、この日の
シュテファン寺院内は
観光シーズンということもあり
そんなとき、決まって
どこからともなく
だれかの(愛ある)
「シーっ」が小さく響く。
あ、そうだった。
ここはお祈りの場だよね…と
あたりの空気が一変し、
一瞬で静けさに包まれる
「教会あるある」だ^_^
私もえりを正し
大理石の床をふむ
一歩一歩の足音や
自分の気配に配慮し
丁寧に拝観する。
2001年にユネスコ世界遺産に
登録されたこの寺院には
ハプスブルグ家の
歴代君主の墓所もあるほか、
作曲家のモーツァルトの結婚式と
葬儀も執り行われたとして知られているそう。
格式の高さを感じるものの
街のにぎやかな喧噪に溶け込み
誰にでもオープンなところは、
人に寄り添うおおらかで
気取りのない教会にも感じました^_^
周りを見渡すと、
思い思いの場所に座り
高い天井窓からさす
柔らかい光に包まれながら
黙々と祈りを捧げる人もいれば、
見事な宗教絵画や彫刻を
じっくり見入っている人たちや
ロウソクに火を灯す人や
ゆらゆら小さく揺れる火の光を
静かにみつめる人たち。
それぞれの人が
自分の内なる神聖さと
ご対面しているような
とても厳かで
だけどあたたかな時間が
流れている感じがして
その場にいるだけで
心が洗われていくような
すがすがしい気分になる。
雨風や雪で鍛えられたような風合いの
外観も味わい深くて美しい。
私は、教会も
神社も聖地も
好きだけど
そこで祈る人たちの
姿を見るのがやっぱり
好きだなあと改めて思う^_^
国籍とか
年齢とか
立場とか
性別とか
それはもう関係なくて
ひとりの人間、
まっさらな魂たちの
祈りを見ているよう。
この寺院はこれまで
どれだけの祈りを
受けとめてきたのだろう。
数多の「におい」が
長い年月と共に混ざり合って
何層にもわたって
このシュテファン寺院に
深く染み込んでいるような気がした。
そこに漂う空気を
じっくり味わいながら
「今日も一日
よろしくお願いします」と
私のにおいも
ちょこっと残して
シュテファン寺院を
あとにしたのでした^_^
今日もお読みくださり
ありがとうございました♪
シュテファン寺院へ行かれる方へ
*空港からシュテファン寺院まで約30分。空港の地下駅からSバーン(国鉄)でウィーン・ミッテ駅で乗り換えて、地下鉄U3のStephansplatz (シュテファンプラッツ駅)で下車。
アクセスはとてもシンプルです。地下鉄マップは空港インフォメーションで頂けました。
*ウィーンが一望できる北塔へはエレベーターで昇れます。南塔は階段です(343段!)宝物館などそれぞれ有料でした。
*カタコンベ(地下墓地)見学ツアーは、人数制限があり、時間が決まっているので、寺院内のチケットカウンターで要確認です。
*ミサ中は、見学不可でした。
(滞在時 2022年9月)
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