それと共に、あのことを少しずつ周りに話すようになった。
もちろん、全員にではない。
本当に信用できる方たちのみ。
そこで気が付いたことがある。
同じ経験をしている方がいかに多いか。
ということ。
確かに日本の人口中絶件数は非常に多い。
日本人の死因No1は悪性腫瘍、いわゆる、癌である。
しかし、中絶件数は癌で亡くなる方の数よりも多い。
日本の隠れた死因No1は中絶によるものなのだ。
ということは、あれだけ多いのだから、私の周りにいてもおかしくはない。
中には複数回中絶した結果、いまの旦那さんとの間に子供ができなかった方もいた。
この結果を聞き、私は思った。
あっ、私だけじゃないんだ。
傷を抱えて生きている方って意外と多い。
変な表現だけど、ちょっとだけ心が楽になったような気がする。
私がPTSD/PADになったことを話したある方に言われた。
これだけ多くの女性が同じ傷を抱えている。そこから立ち直って生きている方がほとんどだ。
これだけの人が立ち直っているんだから、私も立ち直れないと悔しいって思った。
なるほど、このような考え方もあるのか。
確かにその通りだと思った。
いまはまだ辛いけど、きっといつかは私も大丈夫になるかもしれない。
ふとそんな気がした。
それにはやはり、時間が必要。
中絶経験がある方は口を揃えて言う。
焦る気持ちが大きい。
早く立ち直らなくちゃ。
早く病気を治さなくちゃ。
早くしないと年齢的にもまずい。
早くしないと結婚できなくなる。
早くしないと見た目が劣化する。
早くしないとずっとこのまま独りかもしれない。
焦る気持ちを落ち着かせて、いまを生きようと思った。
Let it be
大丈夫、きっといつか何とかなる。
私だけじゃない。