いま振り返って考えてみると、手術をしてから1週間後くらいなのかもしれない。
赤ちゃんや妊婦を見るのが嫌になった。
直視することができなくなった。
赤ちゃんの泣き声が聞こえると、責められているような感覚に陥った。
ちょうどその頃、同僚の若い子が妊娠。
私とほぼ同じ時期の妊娠だった。
始末された命と育まれている命。
私はどん底。
その一方で幸せ絶頂の子。
私はその同僚が目障りに思うようになった。
仕事が始まる前はぎゃーぎゃー無駄話をしているのに、仕事が始まると具合悪いが始まる。
立ち仕事なのに、調子が悪いとほぼ座っている。私も手術するまでは悪阻が重くて、立ち仕事がつらかった。
でも周りには妊娠のことは話さず、必死で隠していた。
彼にも八つ当たりをするようになった。
二人で決めたことなのに、彼を攻め立てるようになった。
何度泣きながら攻め立て、言い争いになったかわからない。
どうして私と赤ちゃんを捨てるの?
どうして選んでくれないの?
どうして私ばかりこんなつらい思いをしないといけないの?
もうこの頃から発症していたんだと思う。
世の中には私よりつらい立場の方はたくさんいる。
それはわかっているつもりなんだけど、自分のことしか考えられなくなっていた。
こんなこと思ってはいけないことだけど、妊婦が目障りで憎たらしくて、お腹を蹴ってやりたい衝動にかられた。
幸せそうに微笑んでいる妊婦が憎らしい。
こんなこと思ったことないのに、、、。
こんなことを思ってしまう自分も嫌になった。
この頃、すぐに心療内科に行っていたら、ここまで悪化しなかったのだろうか。
いまとなってはもうわからない。