児童発達支援事業所「くれよん」が、4月からスタートしました
実希も一緒に働いています。
実希と一緒に働くことになるなんて、夢にも思っていなかったな~
そんな実希が、くれよんの先生デビューしました
くれよんでは、その子が何を得意とし、何が苦手なのかを見極めていくために、テーマごとで活動しています。
この日は、「手先あそび」の日。
当たり前に使っている手。
手先の不器用さは、ボタンつけや食具の使い方、鉛筆などをにぎる筆圧などにも関係してきます。
「実希ができること」をスタッフが考えてくださり、「パーラービーズ」でキーホルダーを作ろう♪ということで、ピンセットを使う、小さなビーズを手先でつまむなどをねらいとして遊びました。
子どもたちも、カラフルなビーズにうきうき
実希のお仕事は、今日の遊びの説明をすること。
緊張しながらも、しっかりお部屋に入っています
しっかり今日の流れを伝えることができました☆
家を出るときに、実希に伝えたこと
*緊張すると、小さい声で早口になるから、ゆっくりとお話をすること
*緊張すると、頭が真っ白になり、涙が出てしまうので、泣かないこと
この2つをお約束。
スタッフがついててくれているので、あとはスタッフにおまかせ。
ゆっくりと丁寧に説明ができました。
今までは、人前でお話をするとしたら、「下書き」をしていたものです。
「何をいえばいい?」そんなことを聞いてくるかと思えば、私には一切相談なし(笑)
スタッフには、「〇〇しようと思うんだけど」
そんな感じで相談していました。
下書きをすることなく、自分の言葉で、みんなの前でお話をしている実希に、少しうるうる・・・・
「今日の流れを説明すること」
それが、実希のミッションだったのですが、自分から、各テーブルを回って、声をかけていました。
びっくり
子どもが一生懸命にしている姿を、すごく温かく見守る実希。
人が苦手で・・・
人と話すなんて・・・・
子どもは、未知の生き物で・・・
近づくこともできなかった
小学校と中学校は、特別支援学級でお世話になり
高校では、支援学級のようなクラスに在籍
療育手帳は、B2
そんな実希が、先生してる
親ばかでしょうが、なんだかその姿が誇らしく、涙がでました。
ベビーマッサージ教室「ハッピータイム♪」をはじめたころは、実希は高校生。
自分の家に、知らない人がいることが、最初はとても苦手でした。
それから少しずつ、ママたちとお話ができるようになり、
赤ちゃんが触れるようになり
ママたちに、おむつ交換をさせてもらったり
離乳食を食べさせる経験をさせてもらったりしながら、
「人」に慣れていきました。
そんな実希が、「保育士になるためには、どうしたらいいの」
と聞いてきたのには、びっくり☆
でも、知的には8歳ほどしかない実希には、正直無理なお話。
保育士の資格を持たなくても、子どもとかかわれる仕事ならたくさんあるんだよ。
そんなお話もしたな。
旦那さんがある日突然に、自分だけ天国に行ってしまい、これからの人生がどうでもよくなった。
そして、ずっと気になっていた実希の発達。
大学病院に2週間ほど検査入院してわかったのが「筋ジストロフィー」
治療方法がない、進行性の病気。
国の指定難病。
自分を責めました。とことん責めました。
健康な体で産んであげられなくて、ごめんね・・・・
病気も進行していて、脳をはじめ四肢も委縮が始まっていました。
特に、心臓と肺は、気をつけないといけない。
命も、そんなに長くない・・・・と。
一瞬、自分の耳を疑いましたし、言葉が出ない自分がいました。
旦那さんがいなくなった今、私は実希に何をしてあげられるのだろう・・・
どこまで守ってあげられるのだろう・・・・
待合室で考えました。
実希に聞きました。
「実希は、したいことがある」
そしたらすぐに「嵐のコンサートに行きたい」
大学病院の駐車場ですぐ、嵐のファンクラブに入りました。
昨年は、福岡でのコンサートに2回行くことができ、東京ドームで年末にある「カウントダウンコンサート」にも行くことができました
嵐のファンクラブに入ったからと言って、すぐに行けるものではないのでしょうが、昨年は申し込みしたものはすべて行くことができ、実希も幸せそうでした。
治療方法はないので、特に辛い治療がないのはまだ幸せかもしれない
進行を待つしかないというのも、辛いですが・・・
美味しいものは、美味しいと思える幸せ
好きなことができる幸せ
何よりも、家族と一緒にいられる幸せ
幸せの定義は、みなさんそれぞれかもしれませんが、旦那さんがいなくなって思うのは、「おはよう」と「おやすみ」が言えること。
当たり前の生活が、当たり前にあること。
特別なことはいらない。
実希の横で、実希の体温を感じながら寝て、また一日がはじまること。
何よりの幸せです。
今では、旦那さんの力も借りて、児童発達支援事業所「くれよん」で、実希と一緒に働けていること。
胸痛があれば、横になれる環境もあり、実希をいつも温かく見守ってくれるスタッフの中で、毎日とても幸せそうに仕事をしています
「子どもにかかわる仕事」が、できているね
そんな実希の、働きぶりを、くれよんのブログにのせてあります。
よかったら、見てみてくださいね☆
そんなに遠くない未来、車椅子にも頼ることになっていきます。
「今」できることを精一杯して、
「今」を精一杯に楽しむ
障がいがあるとか、ないとか、そんなことではなく、実希をとおして、何か感じてもらえたらうれしいです
これからも、よろしくお願いします