実希、七草の時。
「次の実希の振袖姿は、成人式の時だね~」
「大人になっているんだろうね~」
なんて、とても小さいながら、それなりに色気のある6歳を見て夫婦で会話。
まだまだ先のこと・・・なんて思っていたあの日。
あれから、十数年があっという間に経ち、実希も成人式を迎えることができました。
当日、椅子に座り、化粧をしてもらう実希。
本人もドキドキで、鏡に映っている自分を直視できません。
髪もアップにしてもらい、少しずつ「女性」になっていく実希。
紅を引いてもらい、髪飾りをつけ、その姿を見ながら、色んなことを考えた。
この20年、「自分が親でよかったのかな。ちゃんと、親ができていたんだろうか」
早く二人目が欲しいと願い、できるなら女の子が欲しいと願った。
でもなかなかできなくて、想像妊娠までしたな。
旦那さんは、外国航海中。
女の子がお腹にいることは内緒にしていて、外国でビックリさせてやろうと思って。
産まれてから、実希は体調もよくなく点滴。
この時、当たり前に子どもができて、当たりまえに元気で育つなんて思っていたけど、それはすごいことなんだと感じたな。
産後もミルクを吐いてばかり。
一日に、何回着替えていただろう。
上の子もみながらの、2人目育児。
昼間は遊ばせ、夜の授乳。
寝不足の毎日。
あんなに欲しいと願った2人目なのに、スムーズにいかない毎日に、イライラしっぱなし。
子どもにあたることもよくあった。
しんどくて、しんどくて、子どもと一緒に泣いたこともあった。
布団の中で、泣いたこともあったな。
小さい子を抱き、タンスによっかかりながら朝を迎えたこともあったな。
独身の友達が、羨ましいとさえ思った。
人見知りがはげしくて、外でも泣いてばかり。
いつも、私の服をつかんでた。
それにまた、イライラしたりもした。
そんな実希が、幼稚園に行き、元気に遊んでいる姿を見た時は、やっとほっとしたな。
元気でいてくれればと願ったはずなのに、あれもできない、これもできないと思ってしまった。
できないから、習いごとに行かせる。
今思えばそれは、実希のためではなく、自分のためだったような気がする。
小学校、中学校、高校、社会人・・・・
あっという間に時が過ぎた。
あんなに小さかった、泣きむし実希も、みんなに温かく見守られて、20歳になりました。
あんなに怒ったのに。
あんなに、叩いてしまったのに。
なのに、
素直で優しくて、素敵な女性に育ってくれた。
常に一緒懸命で、まっすぐで。
本当に、感謝しています。
本当に、ありがとう。
会場には、生徒のなりこさんご家族も来てくださり、嬉しかったな。
かりんちゃんとすみれちゃんは、本当に妹みたいにかわいくてしょうがない実希。
お花も持ってきてくれて、実希は大喜びでした
私は化粧崩れをしないようにと思って、涙はがまんしていたのに・・・。
実希の姿を見るなり、泣き出すなりこさん(笑)
その姿を見て、涙腺が崩壊した私(笑)
私たちのために、涙してくれる人がいるということ。
本当に、感謝の気持ちでいっぱいになりました。
ママたちから、たくさんのメッセージや、お花などのプレゼントも届き、たくさんの方に祝福してもらえる実希は、なんて幸せなことなんでしょう。
実希が、ここまで成長することができたのも、ママたちのおかげといっても過言ではありません。
たくさんの方に支えていただきました。
就職もこれから。
障がい者雇用と言っても、なかなか難しい世の中です。
でも、花の木さんでゆっくり訓練しながら、実希に合う会社を見つけていければいいなと思っています。
成長はみんなそれぞれ。
焦りたくなる気持ちもわかります。
けど、子どもの成長に合わせてゆっくりと歩く人生の方が、結果よかったんですね。
子育て中は必至でわかりませんでしたが、20年たち、自分の子育てを振り返って、今だからわかります。
ゆっくりでいい。
子どもに色々と教わった20年でした。
これからの人生の方が長いわけですから、これからも親子でゆっくりと歩いていきます