こんにちは!

獣医師エリコです。

 

 

もう15日ですね。

今日でお盆休みが最後という方も多いのではないでしょうか。

 

さて、先週の11日、12日は大阪ねこの会の一斉手術でした!

一斉手術についての詳しい記事はこちら!

 https://ameblo.jp/happy-tabby-clinic/entry-12392672539.html

 

 

真夏にもかかわらず、

妊娠している猫ちゃんを何頭も見かけました。

中にはまだ6か月齢に満たないと思われる仔猫もいました。

 

授乳中であろうお母さん猫、産んだばかりであろう猫さんも見かけました。

 

そう

 

猫さんは、びっくりするくらい繁殖力が強いのです。

 

 

ということで、今日は猫さんの避妊手術のお話を真面目にしていきたいと思います真顔

 

私は普段、生後4か月前後での避妊手術をおススメしています。

それより早くても、体重が1㎏あれば手術をしています。

 

一般的には6か月令を超えてから、か体重2キロを超えてから・・・

と言われることが多いかと思いますが、

私の経験上、それでは遅いと思います。

 

だって4か月くらいでもう発情してる子

5か月くらいでもう妊娠してる子

いっぱいいるんですもの滝汗

 

発情してると何がいけないって??

 

発情を重ねてしまうと、それだけ将来的に乳腺腫瘍のリスクが上がってしまうことも

もちろん嫌なのですが

発情中の子は、未発情の子と比べると手術がやりづらいのです・・・

 

写真だと生々しすぎるので・・・イラストで説明しましょう

 

まず、子宮はこんな感じで猫さんの体の中に位置しています。ダウン

私の場合、猫さんから見て右側に立って手術をしています。

そして少しだけ切皮してお腹をあけて、子宮と卵巣だけを体の外に引っ張り出す作業をします。

そして卵巣につながっている血管を、出血しないように糸で結紮してから切断する作業をするんですけども

 

若くて未発情の子の場合は

 

 

 

苦労なく卵巣と子宮がびよーんと体外に出てきてくれて、結紮作業もやりやすいわけです。

血管が発達していないので出血も少ないし

もちろん切開も小さく済みます。

 

通常こんな感じです。

手術時間も短いので猫さんにとっても負担が少ないです。

 

 

 

 

 

ところが、ガンガンに発情している子の場合・・・

 

全体的に硬く張っていて、引っ張ってものびてくれず。。。なかなか体外に引っ張り出せないことが多いです。

 

卵巣の血管が太くて充血していて、あちこちに細かい血管も発達していて出血も多くなります。

 

また卵巣に卵胞嚢腫という水疱のようなものができていることもあり

それがものすごく大きいこともあります。

そうなると術創を拡げなければなりません。。

上の写真みたいな傷で終えることができなくなります

 

 

また発情に伴って、子宮水腫や子宮蓄膿症などの子宮の病気も多くなります。

子宮に水や膿がパンパンにたまり、

蓄膿症の場合はほっとくと命に関わります。

 

この場合も当然、術創はぐっと大きくなってしまいます。

思いがけず手術時間が長くなってしまうこともあるので

猫さんにとっては負担が大きくなってしまいます。

 

というわけで

早めの避妊手術は

・手術時間が短い

・傷が小さい

・出血が少ない

・乳腺腫瘍のリスクを下げられる

と猫さんにとっていいことずくめなのですウインク

 

 

 

 

まだまだ暑い毎日ですが

お盆が終わるともう夏の終わりはすぐそこ。

 

 

秋はあっという間にやってきます。

 

秋になると、この春生まれの仔猫たちが妊娠できる年齢になり

また妊娠・出産のピークがやってきます。

 

その前に

 

できるだけたくさんの避妊手術をしてあげたいと思います!

 

 

ボランティアの皆様、どうぞよろしくお願い致します<m(__)m>

 

 

おうちの猫さんも

まだ仔猫まだ仔猫・・・と思ってたら妊娠した!!

なんてことのないように

早めの手術をしてあげてください。

 

 

我々が思っているよりも、猫の皆さんおませさんですよ滝汗

 

 

 

何だか一雨来そうですね・・・

皆様急な雨にはお気をつけて、楽しい休日をお過ごしください。

 

エリコでした合格