認知症という言葉、最近よく耳にしませんか?テレビや雑誌、インターネットで見かけるたびに、「自分も気をつけないと」と思っている方も多いのではないでしょうか。でも、そもそも認知症って予防できるものなんでしょうか?今回は、認知症の予防について、まずは日本の現状を見ながら、その可能性について基本に立ち返って考えてみたいと思います。

日本における認知症の現状

日本は、世界でもトップクラスの超高齢社会です。2020年時点で、日本の65歳以上の高齢者は、なんと総人口の約28.7%を占めているんです。そして、これから先もこの割合はどんどん増えていくと予想されています。高齢化が進むにつれて、当然ながら認知症の患者さんも増えているんですね。

2020年のデータでは、65歳以上の高齢者のうち約16%、つまり600万人くらいの方が認知症を患っているとされています。そして、2030年にはその数が800万人を超えると見込まれていて、ざっと65歳以上の5人に1人が認知症になるかもしれないという計算なんです。これだけの人が認知症を患うと、介護の必要性が高まりますし、家族や社会全体にかかる負担も相当なものになることが心配されています。

認知症の種類

「認知症」と一口に言っても、実はその種類はさまざまなんです。認知症は、脳の機能が低下して、日常生活に支障をきたすような症状が現れる疾患の総称です。ここでは、代表的な認知症の種類をいくつか紹介しますね。

1. アルツハイマー型認知症

まず最初に紹介するのは、アルツハイマー型認知症です。これが一番よく聞くタイプだと思いますが、全認知症患者さんの約70%がこのアルツハイマー型なんです。脳の中に異常なたんぱく質が溜まってしまうことで、神経細胞が少しずつ死んでいってしまうんですね。初めのうちは、最近の出来事を忘れてしまったり、物事の順番がわからなくなるといった症状が見られますが、進行すると日常生活がかなり難しくなってしまいます。

2. 血管性認知症

次に、血管性認知症についてお話しします。これは、脳の血管が詰まったり破れたりすることで発症する認知症なんです。脳梗塞や脳出血が原因で起こることが多くて、症状が突然現れることが特徴です。アルツハイマー型認知症とは違って、症状が進行したり、また少し落ち着いたりすることがあるんですね。記憶障害や言語障害、運動障害など、さまざまな症状が出ることがあります。

3. レビー小体型認知症

次に、レビー小体型認知症をご紹介します。レビー小体という異常なたんぱく質が脳の中に溜まることで起こる認知症です。特徴的なのは、幻視が見えることや、手足が震えたり筋肉がこわばったりするパーキンソン症状が出ることです。もちろん、アルツハイマー型認知症のように記憶力の低下も見られますが、それに加えてこうした特徴的な症状が現れるんです。

4. 前頭側頭型認知症

最後に、前頭側頭型認知症についてお話しします。これは、脳の前頭葉と側頭葉が委縮してしまうことで起こります。このタイプの認知症は、性格や行動に大きな変化が出るのが特徴です。例えば、他人の気持ちを理解できなくなったり、突然とても変わった行動を取るようになったりします。記憶障害は比較的軽いことが多いんですが、社会生活に大きな支障が出ることがあるんです。

認知症は予防できるのか?

ここで気になるのが、認知症は予防できるのかということですよね。実は、認知症の予防についてはたくさんの研究が進んでいますが、残念ながら「これで確実に予防できる」という方法はまだ見つかっていないんです。でも、だからといって何もできないわけではありません。リスクを減らすためにできることはたくさんあるんですよ。

1. 健康的な生活習慣を維持する

認知症の予防には、心と体の健康を保つことが大切です。例えば、定期的な運動は脳の血流を良くして、神経細胞の健康を守るのに役立ちます。ウォーキングやジョギング、ヨガなど、自分に合った運動を取り入れるといいですね。

また、食事にも気をつけたいところです。魚や野菜、果物を多く含む「地中海式食事」が認知症予防に効果的だと言われているんですよ。オメガ3脂肪酸や抗酸化物質が豊富な食品を食べることで、脳の老化を防ぐ効果が期待できるんです。

2. 脳を刺激する活動を取り入れる

脳って、使わないと衰えてしまうんです。だからこそ、日常的に脳を刺激するような活動を取り入れることが大切です。例えば、読書やクロスワードパズル、音楽を聴く、楽器を演奏するなど、いろいろな活動が効果的です。また、新しい趣味やスキルを学ぶことも、脳に新しい刺激を与えるのでおすすめです。

そして、忘れてはいけないのが「歌を歌うこと」です。歌を歌うことは、脳を活性化させるとても効果的な方法なんです。歌詞を覚えることで記憶力が鍛えられますし、リズムに合わせて歌うことで脳全体が刺激されます。さらに、歌うことでリラックス効果も得られるので、ストレス解消にもなります。カラオケや家でお気に入りの曲を歌う習慣を持つと、楽しく脳を鍛えることができますよ。

そして、社交的な活動も忘れてはいけません。友人や家族との交流を大切にし、定期的に会話や一緒に何かをすることで、脳が活性化されるんですよ。

3. 高血圧や糖尿病の管理

血管性認知症のリスクを減らすためには、高血圧や糖尿病をしっかり管理することが大切です。これらの疾患が原因で脳の血管がダメージを受けると、認知症のリスクが高まるんです。定期的に健康チェックを受けて、必要な治療を行うことで、リスクを減らすことができます。

4. 十分な睡眠を確保する

睡眠不足は、認知機能にとって大敵なんです。特に、慢性的な睡眠不足は、脳に老廃物が溜まりやすくなり、アルツハイマー型認知症のリスクを高めるとされています。毎晩7〜8時間の十分な睡眠を確保することで、脳の健康を守ることができます。

まとめ:認知症予防に向けてできること

認知症は、完全に予防できるわけではないかもしれませんが、リスクを減らすためにできることはたくさんあります。日本における認知症の現状を踏まえて、私たち一人ひとりができることを実践していくことが大切です。

健康的な生活習慣を維持し、脳を刺激する活動を取り入れること、そして高血圧や糖尿病の管理をしっかり行うことで、認知症のリスクを減らすことができるんです。さらに、歌を歌うことや十分な睡眠を確保することも、脳の健康を保つために大きな効果をもたらします。これらの対策を今日から少しずつ実践して、認知症予防に向けて一歩踏み出してみましょう。

毎日の生活の中に、楽しく取り組める予防策を取り入れて、長く健康な脳を維持していきましょうね。