人生で初めて、小説が楽しいと思いました。


今の私に、とてもピッタリな小説を見つけられたんだと思います。(タイトルは伏せます。)

それこそ、まさに「小説は心の栄養」だと、感じられるものでした。



私はここ数年、例えるならモノクロの世界に住んでいました。

自分の心を閉ざして、人から心理的に距離を置いていました。周りにはクールで内向的な印象を与えていたと思います。本当の自分はクールではないんです。でも、本当の自分を表面に出すことができませんでした。

人と心が通うことがなく、勉強に明け暮れる日々は、まさにモノクロな世界だったのです。しかし、私は基本的に人間が嫌いなので、人と関わるくらいならこのままでいい、と思っていました。


しかし、この本と出会って、久しぶりに人の内面に触れ、カラフルな世界を垣間見る事ができました。相変わらず人間は嫌いですが、少しだけ「人間って面白いな」と思えました。そして、私は今人間が嫌いで人と距離を置いていて、そのため人とうまく関われず、こんな自分が嫌で仕方ありませんが、この本を読むことで「私も変わることができるかもしれない。人と積極的に関わって、私の感情を閉じ込めずに表現して、クールな私を脱することができるかもしれない。」と勇気を貰えました。また、「こんな私でもいい所があるんだ」と励まされました。


実は、中学生までは、私の世界はカラフルでした。小説も読んでいました。しかし、あるときから人間が嫌いになり、心を閉ざしてから、モノクロに変わっていったのです。モノクロになるにつれ、小説を読むことなど、感情を揺さぶられることに疲れるようになり、それらを避けるようになったのです。

しかし、久しぶりにこのような感情を揺さぶられる小説を読んだところ、それにたまたま、私と状況がにている主人公が登場しました。おかげで、疲れすぎることもなく、共感しながら、楽しく読むことができました。そして、中学生までの、カラフルな世界を久しぶりに垣間見ました。人間が嫌いではなく、むしろ好きだった自分を思い出しました。

まだ人間が嫌いなことに変わりはありませんが、このまま小説を読み続ければ、いつか心を開けるようになるのではないかなと思いました。それも、小説を読むという行為には、人と関わる必要がないのです。人と関わらずに、人に心を開くことができるようになるかもしれないのです。


今はまだカラフルな世界を垣間見ただけだけれど、いつかカラフルな世界に住めるようになりたいな🎵



追伸:私が心を閉ざしたのは、あまりにも辛い日々に、辛い気持ちを感じなくするためです。人に心を閉ざすのはもちろん、自分でも辛い気持ちを感じないように、できるだけ辛い気持ちをスルーするようにしました。すると、辛い気持ちを感じない分、嬉しい、楽しい、といったポジティブな感情も感じにくくなってしまいました。こうなると、モノクロな、感情のない世界に一直線です。
後から知ったことですが、この現象は心理学でも言われていることです。辛い気持ちを閉じ込めると、ポジティブな気持ちも感じにくくなり、人の気持ちも分からなくなります。できるだけ、気持ちを押し殺さずに生きていきたいものです。