長女が昨夜、「私、これから日本語で会話するから」と、

今年に入って2度目の「日本語で会話するぞ宣言」。


次女はソウル市内の某商業女子高の2年生で、今年の秋からは

いよいよ就職活動も始まるため、日本語はその準備です。


今年7月の日本語能力試験の1級取得、さらには企業での面接を

具体的目的としたもの。


ところで、この人、不思議なことに基本的に日本語上手なんですよね。


「不思議なことに」というのは、日本語習得のために特に

意識的に努力した、というような過程がないため。



長女の日本語歴を振り返ってみると…。


胎教として、しちだ式の日本語CD、童謡等をお腹の中で聞く。

または、母が日本語で日本語で読む絵本の内容を聞く。


生後4ヶ月から、しちだ式の日本語CD(POPキッズ)のかけ流し、

家庭保育園のカードフラッシュ


ただし、家庭での会話はオール韓国語。

いっさい長女に日本語で話かけたことなし。


満1歳半過ぎに、次女の出産のために日本に滞在。

2ヶ月半ほど滞在したのですが、この時期に日本語会話の基礎力が

培われて、この期間は完全に日本語で話してました。


韓国に戻ってきて、1~2週間の間に、会話はオール韓国語に

戻りましたが。以降も、家庭では一切、日本語話してません。


その後は、NHK「おかあさんといっしょ」のうたのCD、ビデオ

好きでよく見て、活用させてもらいました。


あと、ベネッセの「こどもちゃれんじ」のビデオもよく見ました。


基本的にしちだ式のPOPキッズのかけ流しは、ずっとやって

いたように記憶しています。ただし、母が三日坊主でいい加減なので、

文字通り三日かけてはしばらく放置し、また数日かけてはストップし…

といった程度のかけ流しです。


文字の読みに関しては、フラッシュカードを見せたほかには、

赤ちゃんの頃から「ひらがな表」とか貼っておいたぐらいで、

あとはしちだ式の幼児プリント「もじ、かず、ちえ」も使いましたが、

こちらも母のいい加減さにより、まったくプログラム通りになど

進めてません。


おもちゃがわりに置いておいて、気が向いたときだけさせて

ましたが、なんとこの人、満6歳ぐらいの時にはひらがなを

覚えてしまって、ちゃんと読めるようになってました。


相変わらず言葉は韓国語だったんですが、なぜか満7歳に

なった頃から、日本語を話しだしました。


これは次女も同じパターンで、(次女のケースはまた別に書こうと

思いますが)それまでほぼ日本語を発したことがないのに、

特にきっかけがあったわけでもなんでもなく、満7歳になった

頃から日本語を話しだしました。


※しちだ式で、満6歳までが右脳優位、満7歳から左脳優位に

 切り替わると言っていますが、それを実感するような現象では

 ありました。どうやらこの時期に脳で、言語の文法体系が

 整理されるのではないでしょうか。



といっても、本人たちが「日本語を発する」というレベルで、

母と日本語で会話をするには難があるため、家庭で日本語で

会話するにはいたらず。


その後、長女が小学3年生、次女が2年生の時、韓国の小学校の

冬休みを利用して、日本の小学校に体験入学

(日本は3学期の時期)


これを3年続けました。初回が1ヶ月半、2回目が1ヶ月、3回目は

3週間ほどでしたが。


この時、次女は日本語会話はいっさいできない状態だったため、

私が通訳として教室で次女の横に座ってサポートするということを、

最初の1週間ほどしましたが、長女は最初からいっさいサポートなし。


そのまま3年生のクラスに一人で放り込んだ形になりましたが、

なんと初日からまったくものともせず日本語で先生やクラスメイトと会話。


授業もしっかり聞いており、先生の「ピカソがどういう人か知ってる人~?」

という質問に、一人手を挙げて驚いたと先生からのコメント。(^_^;)


給食当番も初日からいきなりやりましたが、先生の指示を

ちゃんと聞き取り、テキパキと友達と一緒にこなすので、

先生たちから、「国際派ですね~!!」と驚かれることしきり。


さすがに読み書きは苦手ですから、授業にまったくついて

いけるわけではありませんが、国語の教科書の読みなんか、

習っている単元の漢字に私がすべてルビをふって、

家でそれを毎日、1回、必ず音読するというのをやってました。


最初は、一つの単元の文章を読むのに、たしか1時間半ぐらい

かかったような気がしますが、毎日続けているうちに、最後は

30分ぐらいで読めるようになったかな…。


2回目に行った4年生の時は、社会の授業が、白地図に

島根県の市と郡の名前を覚えて書き込むという内容だったん

ですが、それも数日、家で練習して、さすがに漢字では無理で

ひらがなでの書き込みでしたが、最後は全部、覚えて

書き込み、試験にパス。


長女よりも遅く試験にパスした子も多く、担任の先生が、

「どうして韓国で生まれ育ったありさんが、島根で生まれ育った

あなたたちよりちゃんと島根県のことを覚えるの~!?」と、

子どもたちにハッパをかけてらっしゃいました。


この小学校への体験入学以前は、毎年、1年に1回、日本の

私の実家に滞在。1回の滞在は2~3週間ぐらい。

(子供って2週間いると言葉が切り替わりますよね)



この小学校体験が大きかったのは間違いないと思いますが、

3年生のクラスに合流した時点での日本語力が親の想像以上に

高かったのは、たぶん満2歳になる頃、ちょうど子どもが言葉を

習得する時期に日本に長期滞在したというタイミングのよさが

あったように思います。


この時に「日本語の会話脳」の基本ができあがったため、

それ以降、特に韓国生活で日本語を使う体験がなくても、

ちゃんと本人の中に日本語力が構築されていたということでしょう。


もちろん、その下地となる「かけ流し」の効果も大きかったのでは

ないかと思っています。



日本滞在期間は、幼児の頃から多量の日本アニメビデオ、DVD

見てきました。親が見させたわけでは決してなく、実家が田舎で

することがないので、子どもたちが仕方なく多量にそれらを

見て時間を潰さざるを得なかったからなんですが…。


これも日本語力アップには大きかったですね。



小学校体験入学以降は、ほんとになんにもしてないんです~!


自慢じゃないけど、ほんと母である私が三日坊主で長続き

しない人なので、(ブログも、だから書いては休み、書いては

休み…になってます)数日集中したら、やる気失せちゃうんです。


で、しばらくしたらまた集中してやる気になる。

私なんかその集中力で生きてるようなもんですが、長女も

どうやら私に似たタイプなのかもしれません。


ふだんは好きなことして遊びほうけてても、やる気がある時に

集中すると、わりとすぐに吸収できちゃうんでしょう。


小学6年から高1のこの冬休みまで、日本にも毎年は行けず、

かといって韓国でも日本語使わないので、ほんとうにまる

4年ぐらい日本語使ったことないのに、今年の冬休みに

1週間ほど日本滞在した時、ムチャ上手に日本の家族と

会話するので、親のほうが驚きました。


あ~、長女は日本のアニメが好きで、(次女からいつも「オタク」と

言われている)、スマホでひそかに多量の日本アニメやドラマを

見ているというせいもあるかな。


あと、J-POP。


親がまったく知らん歌手、歌、ミュージックビデオを時々、

「これいいよ~!!」と教えてくれますが、そういうのもあるか。



でもとにかく…。


この国で英会話や第二外国語マスターのために、ものすごい

時間とお金とエネルギーを投資しているのに比べたら、

そのほんの数分の1ぐらいの投資量だと思うんです。


それでもこのくらいの効果を出すことは不可能ではないということ。


私は以前から在韓の日本人ママさんたちにも、「しちだ式、しちだ式」

というんですが、まずはほんとうに小さい頃からのCDのかけ流し

だけでもしておくと、「得になりこそすれ、損することは一つもない」

ということなんです。


それと、私がしちだ式教育に感謝しているのは、早期教育の

方法論が重要ではなく、「母と子の心が通じること」が一番、重要だと

いうことを教えてくれた点です。


しつこくいうように、母である私が三日坊主なので、方法論的な

側面でみると、子どもの能力を育てるのが難しい可能性が高い。


ただ、私はしちだ式のおかげで、「子供を信じる」

「子供からの信頼を得る」というとこを常に心がけてきたので、

結果的にはそれが学習面や語学面での効果としても現れたとも

思えるし、また、なにより現在までの親子関係をふりかえっても、

そのために子供たちとの信頼関係が保てているというのが

ほんとうにありがたいことだと思っています。


中学生時代、長女、次女ともに、新学期の家庭調査書で、

「親との関係は?」という質問項目に、「非常にいい」と回答したそうで、

毎回、担任の先生からそのことについてコメントがありました。


「今は家庭環境がよくない子が多いので、親との関係がいいと

答える子なんてほとんどいないんですよ。大半が悪いと答えます。

そういう中で、親との関係が良いと答えるのはほんとうに

貴重なことです」


それ以外にも中学の時は得に、「ご両親がお子さんを全面的に信頼して

くださっているので、それが子どもたちによい影響を与えていると

思います」といった評価をよくいただきました。


一般的には思春期で、たいへんなことも多い時期だから特に

そういうふうに思えるんでしょうが、そういう評価をいただいたことは

私が心がけてきたことが形として現れたようで感謝ですよね。



話が「日本語」からそれちゃいましたね。


まあそんなわけで、長女が今年2回目の「日本語使うぞ」宣言をして、

昨日は実際に頑張って使ってました。


「『寝る』と、『横になる』の違いって、なに?」


「『うちの先生』っていう表現は、面接の時に失礼じゃないの?」


「謙譲語って、面接の時にはどういうふうに使うの?」


とか、質問がポンポン出てました。


(時々、「あの~」というべきところを、「ク~」とか言うと、

次女から「ク~は韓国語でしょ!」と鋭くチェックがはいる…)



私はここ数年は、次女とはへんな日本語で会話することに慣れていて、

(韓国人独特のイントネーションと表現による日本語…おもしろい

から、つい使っちゃうんです…)長女がまともな(?)日本語で

話してくると、こちらのほうがちゃんとした日本語が出てこなくて

困っちゃったりして。(>_<)


私がちゃんとした日本語を訓練しないとって感じです。


私と同じ「短期集中タイプ」なんで、どこまで続くかわかりませんが、

まあ、「短期集中」を100回ぐらい繰り返せばかなり上達するんじゃ

ないでしょうか。



というわけで、今日は長女の日本語歴を紹介してみました。



(まき)