東京マラソン
マラソンとか山登りは、例え話として、
よく「人生」に置き換えられますよね。
昨日、テレビで東京マラソンを見ていて、
数年前にした山登りを思い出しました。
私が挑戦した山は、アジアの屋根と言われている
4,000M級の、
マレーシアのボルネオ島にある「キナバル山」。
富士山よりも高いその山は、
岩肌が剥き出しになった男性的な感じのする山でした。
国定公園になっているので、とても整備されていて、
休憩所も各所にあり、トイレも比較的清潔な感じでした。
ご来光を拝みに行くことを最終目的に、
友人と二人でスタートです![]()
最初のうちは、外国での山登り初体験に、
少し興奮していたこともあり、あまり疲れを感じることもなく、
お天気が良いのも手伝って、スイスイと散策気分で登っていました。
しかし・・・
いよいよ来ました。
最初の「高山病」・・・![]()
3000Mくらいまでいくと、
頭が痛くなり、ちょっと吐き気をもようして来ました。
しかし、3000Mは富士山でも体験していて、
だいたいの予想がついていたので、あせる事なくなんとかクリアー![]()
その日は、途中のラバン・ラタという山のホテルに宿泊![]()
翌日の頂上アタックへの準備です。
そして、いよいよ頂上へのアタック![]()
高山病も治まってきて、順調に歩を進めていました。
しかし・・・![]()
あと1000Mちょっとなのに、
体が思うように動かなくなっているのです。
これまでの疲労もあり、足がクタクタなんですよねぇ~![]()
八合目を過ぎ最終段階までくると、
勾配差も激しくなり、風は強くなってきました。
そして、二回目の「高山病」に・・・![]()
夜中からのアタックでしたので、寒さも厳しく、
山の天気ですので、急に雨が降ってきたりします![]()
登れば登るほど空気が薄くなるので、幾度となく眠気が襲ってきます。
そんな時、今まで感じなかった数々のことを思うようになりました。
何でこんなことをしてるんだ![]()
![]()
何でこんなキツイ事をしてるんだ![]()
![]()
自問自答です。
でも、
頂上でご来光を拝みたい。
そして、未だ見ぬ4000Mからの景色を見たい。
という最初の目標を思い起こし、
歩んでは休み、休んでは歩みを繰り返して行きました。
ホント、休んでいるときには、このまま寝てしまおうか・・・
という誘惑に何度もかられました。
しかし「絶対にご来光を拝むぞぉ~~~」という信念から、
気持ちを奮い立たせ、意識も朦朧としている中、
ひたすら一歩一歩と手で足を持ち上げながら、
進んで行きました。
そして、いよいよ。
頂上到着![]()
それも、ご来光に間に合う時間に![]()
嬉しかったぁぁぁ~。
この達成感といったら本当に嬉しかったです。
そこから見えるご来光は格別で、そして、景色は
今までに見たことのない、素晴らしいものでした。
いわゆる、雲の上にいる気分ですね(実際、雲の上にいたんですけどね
)
っと、私の山登り記はそれぐらいにして・・・
人生と山登り、相通ずるものがありました。
例えば、
いわゆる「まぁまぁ、そこそこ」の八合目までは、
並の努力で到着できますが、そこから頂上までは、
これまでの距離の半分以下にもかかわらず、
これまでと同じくらい、いや、
これまで以上の覚悟と気力が必要だという事です。
更に、到着時間を設定すると、よりハードになり、
それまでにどれくらいで、どこまで登らなければいけないのか・・・など、
具体的なプランが必要になってきます。
そして、上に行けばいくほど、体力を奪われることはもちろん
空気が薄くなり、少し動くと「ゼーゼー」してきて、
足を一歩前に進めることさえ困難になります。
そうすると、当初の目的を忘れて、
何でこんな辛いことをしているんだ(なっているんだ)
などと思ったりします。
その時に軌道修正をして助けてくれるのが
理念(信念)ですよね。
いわゆる、立ち戻れる理念を持っているかどうかが重要になってくるんです。
そして、当たり前のことですが、
いくら周りが後ろから押しても、引っ張っても、
本人が動かない限り
絶対に前に進まない
のです。
逆に、本人が前に進む意思があって、ゆっくりでも一歩一歩進めば、
必ずゴールに到着するんですよね![]()
そうです![]()
周りがどんなにお膳立てしても、応援しても本人が動く気がなければ
全く動かないのです。
そしたら、周りの応援は必要がないのか・・・![]()
いえいえ、そうじゃないんですよね。
その応援がどんなに心強く、
協力者がいる、誰かが見ている、気にかけていると思うだけで、
本当に「応援がエネルギー」になるんですよね。
「もぉ~ダメだぁ~・・・」って思っても、応援してくれる人がいると
自分でも驚くほどの力を発揮したり![]()
そして、人生の目標と同じで、
ハードルを上げれば上げるほど、よりチャレンジングなものになっていきます。
しかし、ハードルを一気に上げてしまうと、
自分の実力を過信してしまって分不相応の状態になり、
挫折する可能性が高いように思います。
自分がどの位置にいるかをしっかりと見つめ、
一つのステージをクリアーしたら、さらに次のステージ・・・へと
段階を踏んで
レベルが上がっていくのです。
そして何と言っても、一番素晴らしいことは、
到達した者にしか見えない景色を
見れる(体験できる)
という事です。
人生も同様、何らかのアクションを起こせば、
良い、悪いではなく、必ず何かが見えてくる・・・
その境地に立ってみることが、どれほど重要かという事を強く感じました。
それは、実際に行動しないと、絶対に手に入らないものなんですよね・・・
東京マラソンを見ながら、そんなことを思い、
市民ランナー一人一人の42.195キロの様々なドラマを想像しつつ、
いずれ、私も挑戦してみたいと密かに思う、今日この頃です。