弁証法 | 琉球娘のココロ・カラダ喜ぶろぐ

弁証法

弁証法とは・・・

「ドイツ観念論の哲学者、ゲオルク・ヘーゲルの思想

人類が生み出した哲学の中でも、最高峰と称される思想」


っと、本の第一章の冒頭部分に書いてありました。


その本とは、田坂広志著「使える弁証法」です。


使える 弁証法/田坂 広志

そんな崇高な哲学の本は、ちょっと・・・しょぼん

って方。

ちょっと、待って下さい。


私も読んだんですから、大丈夫ですかお


この本、本当に面白いです。


まず、文脈がメルマガっぽくてとても読みやすいグッド!

崇高な哲学ということを忘れて、スイスイ読んじゃいましたニコニコ


そして、内容はガツンと濃いビックリマーク


そして、そして何より「実践的」である。


本著の序話の中に

「本書を読み終わったとき、皆さんは、この「法則」を理解されるでしょう

そして、そのとき、

世の中の変化の本質がわかるようになるでしょう。

世の中の変化の未来が見えるようになるでしょう。

そして、

対話をするだけで、思考が深まり、

物事の本質が見えてくるようになるでしょう。


と・・・


筆者曰く

「弁証法」は、現実の問題に、使える。

「弁証法」は、日々の仕事の、役に立つ。

「弁証法」は、極めて実践的な方法です。

と言っています。



そして、日々使われている弁証法において「最も役に立つ法則」を

例をあげ解りやすく書いています。


例えば、

「螺旋的発展の法則」

螺旋階段を、遠く、横からみていると、この人は、螺旋階段を上に登っていきます。


すなわち、この人は、より高い位置へと、「進歩・発展」していくように見えます。


しかし、この螺旋階段を、高く、上からみていると、どう見えるか。

この人は、螺旋階段を登るにしたがって、柱の回りをぐるっと回って、元の所に戻って

くるように見えます。さきほどまで居た場所に戻ってくるように見えます。


すなわち、この人は、昔の場所に、「復活・復古」していくように見えるのです。


しかし、よく見れば、ただ元の場所に戻ってくるのではない。

螺旋階段を登ることによって、必ず、一段、高い場所に登ってきています。


すなわち、「進歩・発展」と、「復活・復古」が、同時に起こる。


実例では、ネット革命での、「オークション」「逆オークション」で、

それらは、決して新しいビジネスモデルではなく、

"懐かしいビジネスモデル"であり、昔の「競り」であり「指値」であると。

そして、それが、インターネットというツールによって、「街の片隅の市場」から

「国家全体の市場」になっていった。と・・・


世の中で、今流行っているものを見てみると、

何か新しいアイディアに見えて、実は、懐かしいビジネスモデルを

少し便利にした(←これが重要)、ケースががほとんどだということです。


そういう視点で、世の中を見渡すと、新しい何かを見つけることが出来そうな気がします。


重要なのは、「そういう視点」で世の中を見るというところですよね。


他にも、目からウロコの内容が満載です。


「否定の否定による発展」の法則

「量から質への転化による発展」の法則

「対立物の相互浸透による発展」の法則

「矛盾の止揚による発展」の法則


例えば、

「矛盾の止揚による発展」の法則の中で出てくるのが、

"矛盾とは、物事の発展の原動力である"


これは、

世の中の物事が、変化し、発展し、進歩し、進化していくのは、

その物事の中に「矛盾」があるからだ。


その「矛盾」こそが、物事の発展の「原動力」であり、

物事を変化させ、発展させ、進歩させていく「生命力」に他ならない。


具体例は、

企業の経営における「利益追求」と「社会貢献」の矛盾です。


そして、その矛盾のマネジメントが大切であり、

優れた企業は、いずれも、この「矛盾」への処し方が見事である。と


それは、どのようなマネジメントか・・・


「割り切らない」


それが、「矛盾のマネジメント」の要締である。と


実例で、松下幸之助氏の経営哲学において語った言葉


「企業は、まず、本業を通じて社会貢献する」

「利益とは、社会に貢献したことの証である」

「多くの利益が与えられたということは、

その利益を使ってさらに社会に貢献せよとの、天の声だ」


そして、「割り切り」とは、魂の弱さである(←亀井 勝一郎氏の言葉)。と・・・


「魂の弱さ」・・・


このフレーズには、ドッキとしました。


「割り切る」ということは、"強い"モノが使う言葉のような印象があった私は、


この章を読み進めていくうちに、本当の「強さ」を痛感し、

そして、本当の器の大きさとは・・・

そして、そうありたい。

と強く思いました。


崇高なヘーゲルをこんなに身近に感じさせてくれた

筆者の田坂さんに感謝しつつ、


より深い洞察力を身につけ、未来が予測でき、

そして、価値のある行動をおこせる人でありたい。

と、思いました。