●桜が満開の日に…
桜が満開の穏やかな春の日に
大好きな祖母が永眠しました。
94歳でした。
3月30日が誕生日。
桜が満開の頃に生まれ、満開の日に旅立った祖母。
世話好きで、慕われていつも大勢の人に囲まれていた祖母らしい。
小柄なばあばだったので「ちいばあば」
心はうーんと大きな人でした。
孫7人（ひ孫は18人）
ちいばあばの家に行くのが楽しみで楽しみで。
歌が大好きで
ずっと民謡やカラオケ教室に通っていて、
昔では珍しい、家用のカラオケセットまで買ってあって
お友達と集まっては、自分が先生になって教えていたり
祖母の家に行くと、いつもみんなで歌っていたなぁ。
「なおちゃんは、ふんとに（本当に）歌がうまいやぁ」
私が歌うたびに、真顔で絶賛してくれたばあば。
私が歌うことが好きなのは、
きっとちいばあばのおかげなんだ、と
今になって思います。
夫の実家と祖母の家はどちらも静岡県で、
車で20分くらいの隣の市。
夫とは東京で知り合ったのに…
初めて夫の出身地を聞いたときは、本当に驚きました。
お正月、GW、夏休み、と夫の実家に帰る時には
必ず祖母にも会いに行って。
「Mくん、なんでも好きなもの食べないよ（食べないさいよ）」
ってたくさんご馳走してくれた祖母。
ある時、
「Mくん、なおちゃん、うんとええお店ができたで行ってみるか！」
と、連れて行ってもらったところが吉野家だった時には
二人で顔を見合わせて苦笑いだったなぁ。
このお店は若くて食欲のある孫婿を連れていってあげなきゃ！と思ってくれたのでしょうね。
「なおちゃんは、ふんとに（本当に）ええ人と結婚したや〜」と
これまた真顔で、会うたびに言ってくれました。
夫も実の祖母のように大切に思ってくれ、
ここ何年かは施設に入っていましたが
帰省した時には子どもたちと一緒に必ず会いに行き
「ちいばあば、きたよ。調子はどう？」と
ずっと手や足をさすってくれて。（ずっと足を痛がっていたので）
（そしてまた「なおちゃんは、ふんとにええ人と・・・」と言うパターン）
最後の方は、娘の顔を見て「なおちゃん、大きくなったや〜」と言っていた祖母。
いつまでたっても、祖母にとって私は小さい頃のなおちゃんのままなのでしょうね。
最後は少し苦しかった祖母。
今は楽になって、天国で祖父とニコニコ会っていることでしょう。
静かに眠る祖母の顔を見ていたら
たくさんの思い出と感謝の気持ちが溢れました。
ちいばあば、本当にありがとう。
これからは空から私たちのことを見守っていてくださいね。
（大好きな祖母の話。読んでいただきありがとうございました。）
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