ずいぶんと、前。

まだ、子どもたちが小学生だった頃。
双子は、同じクラスに在籍していました。



ある日、私は、同じクラスの女の子のママさんとお会いしました。


「みどりさん、長男くんが学級委員に立候補してること、知ってる?
うちの○○(=幼稚園時代からの幼馴染さん)がそう言ってたよ。
もうひとり立候補者がいるのだって。
長男くん、受かるといいね!」


私は、びっくり仰天しました。
え?
え??
長男が?
まさかー???


私は家に帰って、すぐさま次男に尋ねました。

次男は、「本当だよ。長男、立候補してる。」
ケロッとそう言いました。

私「なんでー?」

次男「知らないよ。」


立候補するようなタイプにおもえない、クラスで目立たないタイプであろう長男の行動。
私は動揺しました。

どんな気持ちで立候補したのだろう?
票が入らなかったら、心、傷つくのではないだろうか?


私は次男に言いました。

「次男は…、長男の味方だよね?
長男に1票、入れてくれるよね?
入れてあげてね、絶対!」


次男は、一瞬、ぽかんとした様子で私を見ました。
そして、なんだか可笑しそうに、ニカッと満面の笑みになり、言いました。


「この僕に命令できるのは、

 この僕だけだー!

 僕は僕で、考えることだ。」



きゃーーー!!!


そうでした、そうでした!!
ごめんなさい、ごめんなさい!!

母が、全面的に、間違っていました…。